アリピプラゾール月1回製剤の治療継続率~4年間のフォローアップ調査

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/20

 

 治療継続性とは、処方されたとおりに薬物治療を継続する行為を指し、患者または医師の薬物治療に対する有効性、忍容性、受容性の判断材料となる。統合失調症患者は、抗精神病薬の継続率が低いことが多く、その要因として、効果不十分または無効、副作用、アドヒアランス不良などが挙げられる。このことは多くの場合、薬物治療だけでなく全体的な介入が有効であり、許容性、公正性、合理性、適切性、治療への期待が治療継続に影響すると考えられる。治療継続率が低いとされる統合失調症患者に対するアリピプラゾール月1回製剤(AOM)による治療は、イタリアの実臨床下でも用いられており、その研究では6ヵ月間の治療継続率が86%と比較的高いことが報告されている。

 イタリア・シエナ大学のAndrea Fagiolini氏らは、統合失調症患者に対するAOMの長期治療継続率を調査するため、平均48ヵ月間のフォローアップ調査を実施した。その結果、AOM治療を6ヵ月継続していた統合失調症患者の多くは、その後4年間にわたり治療が継続されており(69.6%)、これはAOMの有効性、忍容性、受容性の良好なプロファイルに起因している可能性が示唆された。Annals of General Psychiatry誌2022年9月29日号の報告。

 6ヵ月以上の治療継続を示した統合失調症患者におけるAOMの長期治療継続率を評価するため、多施設共同レトロスペクティブ非介入フォローアップ研究を実施した。本研究には、以前の研究に参加した統合失調症患者161例が含まれており、その86%がAOMによる治療を6ヵ月以上継続していた。非継続の定義は、すべての原因による薬物治療中止とした。AOMによる治療を継続した患者(継続群)のベースライン時の人口統計学的および臨床的特徴を、非継続群と比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者の平均年齢は39.7±12.24歳、男性の割合は64.4%であった。
・AOMによる治療継続率は69.6%であり、161例中112例は、最終フォローアップ時においてもAOMによる治療を継続していた。
・最終フォローアップ時におけるAOMによる平均治療期間は、継続群で55.87±6.23ヵ月(中央値:56.17ヵ月、112例)、非継続群で32.23±15.09ヵ月(中央値:28.68ヵ月、49例)であった。
・すべての患者における平均フォローアップ期間は、48.78±14.64ヵ月(中央値:52.54ヵ月)であった。非継続群のフォローアップは、AOM中止時点で終了した。
・AOM 400mgで治療された患者は、AOM 300mgで治療された患者と比較し、すべての原因による薬物治療中止リスクが69.6%低かった(HR:0.314、95%CI:0.162~0.608、p=0.001)。
・治療中止の主な理由は、効果不十分(30.6%)、患者/介護者の判断(18.4%)、医師の判断(16.3%)、アドヒアランス不良(12.2%)、不便さ(6.1%)であった。
・忍容性が原因でAOM治療を中止した患者は、3例(6.1%)のみであった。

(鷹野 敦夫)