小児および青年期における抗精神病薬誘発性のプロラクチン変化~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/12

 

 抗精神病薬誘発性のプロラクチン変化は、思春期患者の成長や発達に対し重大な有害反応(AR)を引き起こす可能性がある。デンマーク・Mental Health ServicesのSabrina Meyer Kroigaard氏らは、小児や青年において、抗精神病薬がプロラクチンレベルに及ぼす影響と関連する身体的ARを評価するため本検討を行った。その結果、小児および青年における抗精神病薬誘発性のプロラクチン変化は、リスペリドン、パリペリドン、オランザピンで有意に上昇し、アリピプラゾールで有意に減少することが示唆された。しかし、プロラクチンレベルの有意な変化があるにもかかわらず、ARの報告はほとんどないことも明らかとなった。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌2022年9月号の報告。

 18歳以下の小児および青年を対象とした抗精神病薬のプラセボ対照ランダム化試験を、PubMed、CENTRALよりシステマティックに検索し、プロラクチンレベルおよび関連するARを評価するため、ランダム効果メタ解析を実施した。バイアスリスクは、risk of bias version 2(ROB2)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・分析対象は、ランダム化比較試験32件(患者数:4,643例、平均研究期間:6週間、平均年齢:13歳、男性の割合:65.3%)。
・ドメインのバイアスリスクは、低いまたは不明であった。
・比較された薬剤は、アリピプラゾール(810例)、アセナピン(506例)、ルラシドン(314例)、オランザピン(179例)、パリペリドン(149例)、クエチアピン(381例)、リスペリドン(609例)、ziprasidone(16例)、プラセボ(1,658例)であった。
・プラセボと比較して統計学的に有意なプロラクチンレベルの上昇が認められた薬剤は、リスペリドン(平均差[MD]:28.24ng/mL)、パリペリドン(MD:20.98ng/mL)、オランザピン(MD:11.34ng/mL)であった。
・アリピプラゾールは、プラセボと比較し、プロラクチンレベルを有意に低下させた(MD:-4.91ng/mL)。
・クエチアピン、ルラシドン、アセナピンのプロラクチンレベルの変化は、プラセボと比較し、有意な差は認められなかった。
・本研究のziprasidoneにおける結果は単一試験に基づいており、結論を導き出すには不十分であった。
・概して、抗精神病薬で治療された患者の20.8%で高プロラクチン血症が認められたが、プロラクチンレベルに関連するARが報告された患者は、わずか1.03%であった。
・長期的な影響に関するデータは、非常に限られていた。

(鷹野 敦夫)