日本の小児および青少年に対する抗精神病薬の処方傾向

日本における小児および青少年に対する抗精神病薬の処方パターンについては、とくに外来患者において、ほとんど知られていない。京都大学のSayuri Nakane氏らは、2006~12年に初めて抗精神病薬の処方を受けた17歳以下の外来患者における抗精神病薬の処方パターンおよび傾向を明らかにするため、大規模な調剤データセットを用いて調査を行った。Child Psychiatry and Human Development誌オンライン版2022年2月24日号の報告。
年齢、性別、診療科、処方薬の種類(単剤療法または多剤併用療法)、抗精神病薬の投与量、向精神薬の併用を調査した。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者数は1万511例(13~17歳の割合:65.1%、男性の割合:52.9%)。
・第2世代抗精神病薬の単剤療法の割合は、2006年の53.8%から2012年には78.3%に増加していた。
・最も処方の頻度が高かった抗精神病薬はリスペリドンであり、次いでアリピプラゾール、オランザピンであった。
・抗精神病薬の初回投与量が推奨用量よりも少なかった患者の割合は、約25.0%であった。
著者らは「現在、初めて抗精神病薬の処方を受けた17歳以下の外来患者では、第2世代抗精神病薬の単剤療法が最も一般的に行われている処方パターンであることが確認された」としている。
(鷹野 敦夫)
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