急性期双極性うつ病に対する補助的抗うつ薬治療~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2022/03/29

 

 双極性障害のうつ病相は、重篤な機能障害や疾患負荷の原因となる。双極性うつ病治療における抗うつ薬の有効性および安全性は、長年にわたり議論の対象となっている。中国・上海交通大学医学院のYuliang Hu氏らは、急性期双極性うつ病に対する、気分安定薬または抗精神病薬の単独療法と抗うつ薬の併用療法において、有効性、躁転リスク、忍容性を比較した研究についてのメタ解析を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2022年2月22日号の報告。

 18歳以上の急性期双極性うつ病患者を対象に、補助的抗うつ薬治療を用いた場合とそうでなかった場合における有効性および有害事象を比較した、非盲検および二重盲検のランダム化比較試験を複数のデータベースより検索した。バイアスリスクとアウトカムの評価には、コクランバイアスリスクツールを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・選択基準を満たした研究は、19件であった。
・補助的抗うつ薬治療は、治療反応率の改善に対し有意な効果を示さなかった(リスク比[RR]:1.10、95%信頼区間[CI]:0.98~1.23)。
・サブグループ解析では、抗精神病薬の単独療法と比較し、抗精神病薬に補助的抗うつ薬を併用した場合において小さいながらも有意に良好な治療反応率が確認されたが、気分安定薬に併用した場合では認められなかった。
・しかし、この傾向は、抗精神病薬として主にオランザピンを用いた研究により制限されていた。
・補助的抗うつ薬治療は、抑うつ症状の改善に対し、臨床的に有意な影響が認められなかった(わずかな有意差が観察されるのみであった)(標準化平均差:-0.13、95%CI:-0.24~-0.02)。
・躁転リスク増大との関連は認められず(RR:0.97、95%CI:0.68~1.39)、効果不十分によるドロップアウトの低さとの関連が認められた(RR:0.66、95%CI:0.45~0.98)。

 著者らは「急性期双極性うつ病への補助的抗うつ薬治療は、治療反応率および抑うつ症状の臨床的改善効果について支持されなかった。一方、短期間での躁転リスク増大はなく、十分に許容されることが確認された」としている。

(鷹野 敦夫)