がん治療のバイオシミラーのエビデンス、先発品より質が高い?/JAMA Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2022/02/24

 

 がん治療における3剤の先発バイオ医薬品のバイオシミラーに関する31試験をメタ解析したところ、バイオシミラーの試験のほうが先発品の主要試験に比べ、平均症例数が多く、無作為化、二重盲検化された試験が多かった。また、すべてのがん種で先発品と有効性が同等であることが示された。米国・Brigham and Women's HospitalのDoni Bloomfield氏らが、JAMA Oncology誌オンライン版2022年2月3日号で報告した。

 本研究では、がん治療における先発バイオ医薬品とそのバイオシミラーにおける有効性もしくは代替指標を比較した英語論文と要旨を、Embase、PubMed/MEDLINE、ClinicalTrials.govで、2021年4月18日まで系統的に検索した。母集団の大きさ、盲検化、無作為化などの試験特性について、バイオシミラーでの試験と先発品の主要試験を比較した。さらに、バイオシミラーとその先発品について、無増悪生存期間などの代替指標に対する相対的変化のリスク比を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・3剤の先発品のバイオシミラーに関する31試験(計1万2,310例)が本研究の対象となった。
・7つのサブグループすべてにおいて、有効性の代替指標に関してバイオシミラーは先発品と差がなかった。
・バイオシミラーの試験は先発品の試験(6試験、1,811例)と比べて、平均症例数が多く(397例vs.302例)、単試験/観察研究より無作為化試験が多く(100%[31/31]vs.50%[3/6])、非盲検試験より二重盲検試験が多かった(84%[26/31]vs.17%[1/6])。

(ケアネット 金沢 浩子)