COVID-19に対する薬物治療の考え方 第9版公開/日本感染症学会

提供元:ケアネット

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公開日:2021/10/26

 

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、10月11日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第9版」をまとめ、同会のホームページで公開した。

 今回の改訂では、前回8版以降の新しい知見やエビデンスの追加のほか、抗ウイルス薬、中和抗体薬に関しての追記、とくにソトロビマブが新しく追加された。

中和抗体薬の項目をさらに厚く解説

 新しく改訂、追加された項目は下記の通り。

【抗ウイルス薬】
 レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注液100mgなど)についてRCTの記載が追加。軽症肺炎例を対象にしたレムデシビル5日投与群、レムデシビル10日投与群、標準治療群の3群に割り付け、11日目の評価にて5日投与群は標準治療群と比較し有意に臨床的改善を認めた患者が多かったものの、10日治療群ではプラセボ群に比し有意差が認められなかった。また、入手方法についても、2021年10月18日より一般流通することが追加された。

 ファビピラビル(商品名:アビガン錠200mg)については、海外での臨床報告が追加された。

 インドで行われたRCTで、主要評価項目であるPCR陰性化までの期間の中央値がファビピラビル投与群で5日、標準治療群では7日だった(P=0.129)。また、副次評価項目である臨床的軽快までの期間の中央値が前者で3日、後者で5日(P=0.030)だった。

 また、国内での臨床報告として発熱から10日以内の中等症I患者156例を対象としたプラセボ対照単盲検RCT(企業治験)では、主要評価項目(解熱、酸素飽和度改善、胸部画像改善、PCR陰性化の複合アウトカム)の達成がファビピラビル群で11.9日、プラセボ群で14.7日であった(P=0.0136)ことが追加された。

【中和抗体薬】
 新しく特例承認されたソトロビマブ(商品名:ゼビュディ)が追加された。ソトロビマブはSARS(重症急性呼吸器症候群)に感染した患者から得られた抗体を基にしたモノクローナル抗体。少なくとも1つ以上の重症化リスク因子を持つ軽症COVID-19患者を対象とした第III相のランダム化比較試験では、中間解析においてソトロビマブ500mg単回投与群(291例)では、プラセボ投与群(292例)と比較して、主要評価項目である投与29日目までの入院または死亡が85%減少した(p=0.002)。また、重篤な有害事象は,ソトロビマブ投与群で2%、プラセボ投与群で6%と,ソトロビマブ投与群のほうが少なかった。
・投与方法
通常、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、ソトロビマブ(遺伝子組換え)として 500mg を単回点滴静注する。
・投与時の注意点
カシリビマブ/イムデビマブ参照
・入手方法
本剤は、一般流通は行わず、厚生労働省が所有した上で、対象となる患者が発生した医療機関からの依頼に基づき、無償で譲渡される。

(ケアネット 稲川 進)