エンレストが「高血圧症」の効能追加の承認取得/ノバルティスファーマ

提供元:ケアネット

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公開日:2021/10/01

 

 ノバルティス ファーマは9月27日のプレスリリースで、同社の慢性心不全治療薬であるアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)の「エンレスト」(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)について、「高血圧症」の効能追加の承認を取得したと発表した。本剤は2021年2月にロシアで、同年6月に中国で高血圧症での承認を取得しているが、日本国内におけるANRIの高血圧症に対する承認取得は初めて。

エンレストで高血圧症患者に有意な降圧効果

 ARNIのエンレストは、ネプリライシン(NEP)とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)を同時に阻害する新規作用機序を有する薬剤。日本人の軽症または中等症の本態性高血圧症患者を対象とした国内第III相試験(A1306試験)において、エンレストを1日1回200mg投与したところ、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のオルメサルタンに対して有意な降圧効果を示した上、オルメサルタンを上回る24時間持続的な降圧効果を示した。安全性および忍容性については、臨床試験で既存のARBと同等であることが示されている。

 エンレストを巡っては、2021年8月30 日に開催された厚労省・薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、「実質的にアンジオテンシンII受容体拮抗薬およびNEP阻害薬の配合剤とみなしても差し支えない品目であり、オルメサルタンの通常用量を上回る降圧効果が検証されていることなどから、既存の高血圧症治療の第1選択薬と同じ位置付けとすることは不適切」との指摘を踏まえ、継続審議となっていた。その後、添付文書の「効能または効果に関連する注意」の項に「過度な血圧低下のおそれ等があり、原則として本剤を高血圧治療の第1選択薬としないこと」と記載することなどにより、今回のエンレストの追加承認となった。

(ケアネット 鄭 優子)