百貨店など大型商業施設でのクラスターの共通所見と対策/感染研

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/25

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のいわゆるデルタ株の拡大で、百貨店やショッピングセンターなどの大規模商業施設のスタッフ間のクラスター感染が報告されている。生活に密着する施設での発生から今後のさらなる感染拡大が懸念されている。

 この状況を受け、国立感染症研究所実地疫学研究センターは、現時点での、クラスターの発生原因に関する共通すると思われる代表的な所見を提示し、共通する対策に関して提案を行った。

【代表的な所見】
・売り場における従業員の衛生意識は高く、マスク着用はおおむね適切に行われていたが、手指衛生などさらに改善すべき点を認めた
・時間帯によって、客が密集した状態になる売り場を認めた
・従業員が利用する食堂や休憩所などで密となりがちな環境を一部認めた
・店舗による接触者の把握や管理が十分ではなかったと考えられた状況を一部認めた

【共通する対策に関する提案】
・COVID-19の感染経路に基づいた適切な予防法、消毒法について、従業員全員がより正しく実践する
・従業員による売り場での十分量の適切な濃度のアルコール消毒剤を用いた手指衛生、および従業員や客が高い頻度で触れる箇所の消毒を徹底する
・客が密となる場所においては人の流れや(時間当たりの)入場者数の調整をする。その際、売り場では、たとえば混雑時・非混雑時の二酸化炭素濃度を参考に換気を工夫する
・従業員が利用する食堂や休憩所などにおいて、密になる環境を作らない工夫と十分な換気、黙食を徹底する
・複数店舗でCOVID-19の陽性者が判明した場合は、フロア全体など広めの検査実施を検討する
・従業員の健康管理(観察と記録)を強化する
・自治体または職域での新型コロナワクチン接種の推進を各店舗の従業員に対して働きかけていただきたい
・これまで以上に、保健所との連携(報告や相談)を強化していただきたい

 百貨店・ショッピングセンターなどだけでなく、人流の多い市役所などの行政機関、病院などの医療機関、学校などでも参考にできるので一読をお願いしたい。

(ケアネット 稲川 進)