日本人高齢者の認知症発症とソーシャルサポートとの関連

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/23

 

 認知症患者数は、増加を続けており、日本においても2025年には700万人に達するといわれている。認知症の発症予防やマネジメントにおいて、個人レベルの支援に加え、コミュニティレベルのソーシャルサポートが注目されている。日本福祉大学の宮國 康弘氏らは、マルチレベルの生存分析を用いて、コミュニティレベルのソーシャルサポートと認知症発症との関連を調査した。BMJ Open誌2021年6月3日号の報告。

 2003年に設立された日本老年学的評価研究のプロスペクティブコホート研究を用いて、コミュニティレベルのソーシャルサポートと認知症発症との関連を調査した。対象は、公的介護保険の給付を受けていない愛知県(7市町村)在住の65歳以上の高齢者1万5,313人(男性:7,381人、女性:7,932人)。認知症発症は、ベースラインから3,436日間にわたる公的介護保険データを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・10年間のフォローアップ期間中に、認知症を発症した高齢者は1,776人であった。
・高齢者に対するコミュニティレベルのソーシャルサポート(エモーショナルなサポート)が1%増加すると、社会人口統計変数や健康状態にかかわらず、認知症発症リスクが約4%減少した(HR:0.96、95%CI:0.94~0.99)。

 著者らは「日本人高齢者にとって、コミュニティレベルのエモーショナルなソーシャルサポートは、認知症発症リスクを低下させる可能性が示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)