アルツハイマー病治療薬aducanumab、FDAが迅速承認/バイオジェン・エーザイ

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/09

 

 国内で承認申請中(2020年12月申請)のaducanumabについて、脳内のアミロイドβプラークを減少させることによりアルツハイマー病(AD)の病理に作用する初めてかつ唯一のAD治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)が迅速承認した。バイオジェンとエーザイが6月8日に発表した。この迅速承認は、臨床的有用性(臨床症状の悪化抑制)の予測可能性が高いバイオマーカーであるアミロイドβプラークの減少に対するアデュカヌマブの効果を実証した臨床試験のデータに基づくもの。なお、今回の迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要とされており、もし、臨床的有用性を確認できなかった場合、承認取り消しの手続きが行われる。

 本剤の有効性については、アミロイドの蓄積が確認されたADの初期段階(軽度認知障害および軽度認知症)の患者を対象とした第III相試験であるEMERGE試験とENGAGE試験の2つの試験で評価された。また、本剤の効果は、プラセボ対照無作為化二重盲検用量設定第Ib相試験であるPRIME試験においても評価された。これらの試験において、一貫してアミロイドβプラークの減少に対する用量依存的かつ投与期間依存的な効果を示し、ENGAGE試験では59%の減少(p<0.0001)、EMERGE試験では71%の減少(p<0.0001)、PRIME試験では61%の減少(p<0.0001)を示したという。

 安全性プロファイルについては、1回以上投与を受けた3,000例以上で確認された。最も多く報告された有害事象は、MRIで観察されるアミロイド関連画像異常(ARIA)だった。ARIA(ARIA-Eおよび/またはARIA-H)は、aducanumab 10mg/kg投与群の41%で、プラセボ群では10%で観察された。ARIAを生じた患者のうち、aducanumab 10mg/kg投与群では24%、プラセボ群では5%が症候性であり、最も多い症状は頭痛だった。ARIAに関連するその他の症状としては、錯乱、めまい、視覚障害、吐き気などであった。アデュカヌマブ治療を受けた患者の少なくとも2%で報告され、かつプラセボ投与群よりも2%以上高い頻度で報告された有害反応は、ARIA-E、頭痛、脳表ヘモジデリン沈着、ARIA-H関連表在性せん妄、転倒、下痢、錯乱/せん妄/精神状態の変化/見当識障害が報告されている。

 バイオジェンとエーザイは全世界的にaducanumabの開発ならびに製品化を共同で実施している。

(ケアネット 金沢 浩子)