ホルモン感受性と年齢別、乳がん後の2次原発がんリスク

提供元:ケアネット

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公開日:2021/05/28

 

 乳がんサバイバーの2次原発がん(SPC)リスクは、ホルモン受容体(HR)の状態と初発がんの診断年齢によって大きく異なる可能性が示唆された。米国がん協会のHyuna Sung氏らによるCancer誌オンライン版2021年5月18日号掲載の報告より。

 解析には、米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)の12のレジストリのデータが用いられた。研究者らは1992~2015年までに20~84歳で診断された43万1,222人の乳がんサバイバー(1年以上の生存)を特定。SPCリスクは、標準化された発生率(SIR)および1万人年当たりの過剰絶対リスク(EAR)として測定した。ポアソン回帰モデルを用いてホルモン受容体の状態ごとのSIRが解析された。

 主な結果は以下のとおり。

・平均8.4年の追跡期間中に、HR陽性乳がんサバイバー(35万2,478人)で4万940件(絶対リスク:139.9/1万人年)、HR陰性乳がんサバイバー(7万8,744人)で9,682件(絶対リスク:147.3/1万人年)のSPCが発生した。
・一般集団と比較すると、新たながん診断リスクはHR陽性乳がんサバイバーで 20%(SIR:1.20、95%信頼区間[CI]:1.19~1.21、EAR:23.3/1万人年)、HR陰性乳がんサバイバーでは44%高く(SIR:1.44、95%CI:1.41~1.47、EAR:45.2/1万人年)、ホルモン受容体の状態間のリスク差は統計的に有意であった。
・一般集団と比較して、乳がんサバイバーでは7つのがん(急性非リンパ球性白血病、肉腫、乳がん、口腔/咽頭がん、子宮体がん、肺がん、結腸がん)のリスクが高かった。甲状腺がん、小腸がん、膵臓がん、膀胱がんおよび皮膚の黒色腫のリスクは、HR陽性乳がんサバイバーでのみ上昇し、食道がん、卵巣がん、および腹膜がんのリスクは、HR陰性乳がんサバイバーでのみ上昇した。
・診断時の年齢別の1万人年あたりの総EARは、
晩期発症(50~84歳)のHR陽性乳がん:15.8(95%CI:14.1~17.5、SIR:1.11)
晩期発症のHR陰性乳がん:29.0(95%CI:25.0~33.0、SIR:1.22)
早期発症(20~49歳)のHR陽性乳がん:41.3(95%CI:39.2~43.5、SIR:2.24)
早期発症のHR陰性乳がん:69.4(95%CI:65.1~73.7、SIR:2.24)
・二次原発の乳がんは各サバイバーグループの総EARの73~80%を占めていた。
・乳がんを除くと、SPC で1万人年あたりのEARが大きかったのは、早期発症HR陰性乳がんサバイバーの卵巣がん、早期および晩期発症HR陰性乳がんサバイバーの肺がん、および晩期発症HR陽性乳がんサバイバーの子宮体がんであった。

 著者らはこの結果を受けて、乳がんサバイバーのケア計画において、がん予防と早期発見戦略のためのより的を絞ったアプローチが必要であるとまとめている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)