COVID-19ワクチン接種の準備状況は?医師アンケート

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/05

 

 有効な対応策が打ち出せない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、ワクチンの接種は重症化や死亡の予防に期待がもたれている。わが国でも2月から医療従事者にCOVID-19ワクチンの接種が行われている。

 今後、一般向けに接種が拡大する中で、クリニックや病院などの医療機関ではどのような準備をし、どころからワクチンに関する情報を入手しているのか、3月11日にCareNet.comはWEBアンケートで会員医師500名にその現況を調査した。アンケートでは、0~19床と20床以上に分け、4つの質問に対して回答を募集した。

76%の医療機関はワクチンを実施するまたはその予定

 質問1として「勤務する病・医院ではCOVID19ワクチン接種を実施もしくは予定していまか」たずねたところ「実施するまたは実施予定」と回答した会員医師は76%、「実施予定はない」と回答した会員医師は24%だった。とくに0~19床の医療機関勤務の会員医師で「実施予定はない」が42%に対し、20床以上のそれでは「実施予定はない」が6%と規模の差で大きく分かれた。

 質問2として「勤務する病・医院では、COVID19ワクチン接種のためにどのような準備を実施もしくは予定されているか(複数回答)」たずねたところ全体で「自分を含めたスタッフへの教育」(226名)、「接種専用部屋の設置」(213名)、「冷凍庫の用意」(210名)の順で多かった。とくに0~19床の医療機関勤務の会員医師では「接種実施予定がないため何もしていない」(105名)という回答が1位であり、ワクチン接種は比較的規模のある医療機関でなされることがうかがえた。

 質問3として「COVID19ワクチンの接種関連情報を主にどこから入手しているか(3つまで選択)」とたずねたところ全体で「保健所などの行政機関」(266名)、「勤務先病院や医師会」(257名)、「CareNet.comなどのWEBサイト」(194名)の順で多かった。上位3つは病床数に関係なく同じであり、こうした社会情勢下では厚生労働省、保健所や行政機関からの連絡が第一義的にあり、速報性のある医療系WEBメディアで補完されている様子がうかがえた。

 質問4では「COVID19の診療やワクチンの接種における当院の工夫」を自由記載でたずねたところ「職員がワクチン接種を受けた当日は特別休暇とする」、「患者向けの教育パンフレットの作成」、「アナフィラキシーショック対策として気管内挿管などの訓練、看護師への講義を実施」、「COVID19ワクチンに関するQ&Aを作成」、「職員全員へのワクチン接種訓練を実施」など患者、自院職員への啓発だけでなく、接種のエクササイズも実施している医療機関が見受けられた。

(ケアネット 稲川 進)

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