コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。
株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。
アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”の会員で20~69歳、東京・神奈川・千葉・埼玉に在住の300人を対象に実施した。同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。
調査概要
形式:WEBアンケート方式期日:2021年2月19日
対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~69歳)で東京・神奈川・千葉・埼玉在住者
アンケート結果の概要
・花粉症が「現在ない」と回答した割合は46.3%、花粉症歴が「長い」は26.0%、「中間」は16.0%、「短い」は11.7%・花粉症歴が「長い」と回答した人ほど、医療機関を「毎年、受診している」が多い結果に
・花粉症の強さが「軽症」と回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に。「中等症」「重症」と回答した人は、医療機関を「毎年、受診している」が最多に
・花粉症の三大症状の「鼻水」「目のかゆみ・痛み・涙」「くしゃみ」は70%以上に
・花粉症の症状で「鼻水」を回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に
・コロナ禍により、花粉症の症状で病医院の受診を控えるかは、「そう思う」42.9%が
「そう思わない」24.8%を上回った
アンケート結果の概要
「花粉症と自覚した時期」について聞いたところ、「現在、花粉症でない」が46.3%で最多であり、次に「長い」(約15年超)が26.0%、「中間」(約5~15年)が16.0%、「短い」(最近~5年以内)が11.7%だった。※以下は「花粉症歴があると回答した161人」の回答
「花粉症の症状」を聞いたところ、「鼻水」、「目のかゆみ・痛み・涙」がともに77.0%で最も多く、次に「くしゃみ」が73.9%、「鼻づまり」が56.5%、「だるい、ボーっとする」が26.1%と多かった。
「花粉症の強さを自身の判断」で聞いたところ、「軽症」が47.2%で最も多く、次に「中等症」が42.2%、「重症」が8.1%だった。
「花粉症対策として病医院の処方箋・市販薬も含め服用・使用している薬」について聞いたところ、「飲み薬(1種類)」が42.9%と最も多く、次に「点眼薬」が32.9%、点鼻薬が21.1%と上位を占めた。その一方で、「薬を服用、使用していない」が29.2%いた。薬に頼らずに我慢する患者の存在もうかがわれた。
「花粉症の理由で病院に受診したことがあるか」を聞いたところ、「1度も受診したことがない」が45.3%で最も多く、「その年の症状により受診」が32.3%、「毎年、受診している」が22.4%だった。花粉症軽度の割合が多いことから医療機関へ受診につながらないことが推定された。
「今シーズン(2021年春季)、花粉症の治療のために病院を受診するか」を聞いたところ、「受診する予定はない」が70.2%と最多で、「受診する予定」が18.0%、「すでに受診した」が11.8%だった。花粉症診療へ消極的な動きが判明した。
「昨今のコロナ禍により病医院へ受診することを控えようと思うか」を聞いたところ、「非常に」「やや」を足し合わせた「そう思う」が42.9%、「どちらともいえない」が32.3%、「あまり思わない」「まったく思わない」を足し合わせた「そう思わない」の24.8%と診療を控える傾向がうかがわれた。
「花粉症で病医院を受診する決め手」を聞いたところ、「病医院で処方される薬の方がドラッグストアなどの市販薬より、効果があるから」が34.2%で最も多く、次に「病医院で処置・治療してもらうと効き目があるから」が26.7%、「病医院を受診することで安心感を得たいから」が19.9%と上位を占めた。受診の決め手となる動機では、医療機関から処方される治療薬への期待がうかがわれた。
(ケアネット 稲川 進)
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