T790M陽性肺がん、オシメルチニブ+ベバシズマブ有効性示せず(WJOG8715L)/JAMA Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2021/03/12

 

 EGFR変異非小細胞肺がんにおける第1世代EGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブの有効性と安全性を評価する第I/II相WJOG8715L試験が行われた。この試験は6例の導入部分とそれに続く第II相部分で構成される。

・対象:EGFR-TKI(第3世代TKI除く)耐性かつEGFRT790M変異陽性の進行肺腺がん患者
・試験群:オシメルチニブ80mg/日+ベバシズマブ15mg/kg 3週間ごと PDとなるまで
・対照群:オシメルチニブ80mg/日PDとなるまで
・評価項目:
[主要評価項目]治験担当医評価の無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]全体奏効率(ORR)、治療成功時間(TTF)、全生存期間(OS)、安全性

 主な結果は以下の通り

・2017年8月〜2018年9月に、第II相には87例の患者が登録された。
・登録患者年齢中央値は68歳、男性41%、ECOG PS 0が46%、脳転移例は26%であった。
・PFS中央値はオシメルチニブ+ベバシズマブ群9.4ヵ月、オシメルチニブ群13.5ヵ月であった(HR:1.44、80%CI:1.00〜2.08、p=0.20)。
・ORRはオシメルチニブ+ベバシズマブ群68%、オシメルチニブ群54%であった。
・TTF中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群8.4ヵ月、オシメルチニブ群11.2ヵ月であった(p=0.12)。
・OS中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群未達、オシメルチニブ群22.1ヵ月であった( p=0.96)。
・併用療法群で、Grade3以上の一般的な有害事象はタンパク尿(23%)、高血圧(20%)であった。

 EGFRT790M変異を有する進行肺腺がん患者においてオシメルチニブとベバシズマブの併用はオシメルチニブ単独と比較して主要・副次評価項目を達成できなかった。

(ケアネット 細田 雅之)