お知らせがあります。
- 2023/06/02臨床医学情報サイト「MEDuLiTe」を「CareNet医学教育」としてリニューアルいたしました。
お知らせがあります。
藤田医科大学の岸 太郎氏らは、維持期の双極性障害患者に対する薬物療法において、どの抗精神病薬および/または気分安定薬が優れているかを調査した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2020年11月11日号の報告。
2020年5月22日までに公表された研究を、Embase、PubMed、CENTRALより検索した。2つのカテゴリーにおけるネットワークメタ解析を実施した。カテゴリー1には、単剤療法の研究および2種類の使用薬剤が特定された研究を含めた。カテゴリー2には、リチウム(LIT)またはバルプロ酸(VAL)と第2世代抗精神病薬(SGA:アリピプラゾール、ルラシドン、オランザピン、クエチアピン、ziprasidone)を併用し、プラセボ+LIT/VALと比較した研究を含めた。主要アウトカムは、いずれかの気分エピソードの再発再燃率とした。その他のアウトカムは、うつ病エピソードおよび躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率、中止率、死亡率、各有害事象とした。リスク比と95%信頼区間(CI)を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・41件のランダム化比較試験が特定された(9,821例、平均研究期間:70.5±36.6週、女性の割合:54.1%、平均年齢:40.7歳)。
・カテゴリー1の内訳は以下のとおりであった。
【単剤療法】
アリピプラゾール、アリピプラゾール月1回製剤、アセナピン、カルバマゼピン、ラモトリギン、LIT、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、プラセボ
【特定された2剤の併用療法】
アリピプラゾール+ラモトリギン、アリピプラゾール+VAL、ラモトリギン+VAL、LIT+オクスカルバゼピン、LIT+VAL
・カルバマゼピン、ラモトリギン+VAL(データなし)、パリペリドンを除く治療は、いずれかの気分エピソードの再発再燃率においてプラセボよりも優れていた。
・アリピプラゾール+VAL、ラモトリギン、ラモトリギン+VAL、LIT、オランザピン、クエチアピンによる治療は、うつ病エピソードの再発再燃率においてプラセボよりも優れていた。
・アリピプラゾール+VAL、カルバマゼピン、ラモトリギン、ラモトリギン+VALを除く治療は、躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率においてプラセボよりも優れていた。
・アセナピン、LIT、オランザピン、クエチアピン、VALによる治療は、すべての原因による中止率においてプラセボよりも優れていた。
・オランザピン+LIT/VALを除くすべてのSGA+LIT/VALによる治療は、いずれかの気分エピソードの再発再燃率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。
・ルラシドン+LIT/VAL、クエチアピン+LIT/VALによる治療は、うつ病エピソードの再発再燃率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。
・アリピプラゾール+LIT/VAL、クエチアピン+LIT/VALによる治療は、躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。
・ルラシドン+LIT/VAL、クエチアピン+LIT/VALによる治療は、すべての原因による中止率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。
・治療効果、忍容性、安全性プロファイルは、各治療で異なっていた。
(鷹野 敦夫)
関連記事
安定期双極性障害患者の再発率に対する継続的な薬物治療の影響~メタ解析
医療一般 日本発エビデンス(2020/11/05)
双極性障害維持療法に対するリチウムとラモトリギンの有効性と安全性~メタ解析
医療一般(2019/06/17)
双極性障害における精神医学的入院リスクのための単剤療法の比較
医療一般(2018/07/13)
[ 最新ニュース ]
変性性僧帽弁閉鎖不全症、経カテーテル修復は有効か/JAMA(2023/06/06)
高リスクStageII/III早期乳がんでの術後内分泌療法+ribociclib、iDFSを改善(NATALEE)/ASCO2023(2023/06/06)
日本人2型糖尿病の100人に1人が寛解、達成しやすい人は?/新潟大(2023/06/06)
治療抵抗性うつ病に対するベンゾジアゼピン長期使用~FACE-TRDコホート研究(2023/06/06)
早期に禁煙していた人は肺がんになっても死亡リスクが低い(2023/06/06)
肺炎への抗菌薬、静注から経口に早期切り替えで入院期間短縮か(2023/06/06)
女性の腰痛にはストレスから来る“冷え”が関与?―日本人対象横断研究(2023/06/06)
[ あわせて読みたい ]
~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15)
Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)
薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30)
全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31)
ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15)
診療よろず相談TV(2013/10/25)
在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)
「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)
柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)
松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)