双極性障害における精神医学的入院リスクのための単剤療法の比較

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 米国・ニューメキシコ大学のAnastasiya Nestsiarovich氏らは、双極性障害患者の精神医学的入院リスクについて、29種類の薬剤を比較した。Bipolar disorders誌オンライン版2018年6月19日号の報告。

 Truven Health Analytics MarketScanデータベースを用いて、リチウム、第1世代または第2世代の抗精神病薬、気分安定抗てんかん薬、抗うつ薬の29種類の処方箋情報を有する、双極性障害または統合失調感情障害患者19万894例を抽出した。競合リスク回帰分析を用いて、精神医学的入院リスクの比較を行った(患者の年齢、性別、併存疾患、前処置薬により調整)。他の競合リスクは、単独療法の終了および非精神医学的入院とした。

 主な結果は以下のとおり。

・リチウムよりも精神医学的入院リスクが有意に低かった薬剤は、以下の3剤であった。
●バルプロ酸(相対リスク[RR]:0.80、p=0.00032)
●アリピプラゾール(RR:0.80、p=0.00035)
●bupropion(RR:0.80、p=0.00028)

・精神医学的入院リスクが有意に高かった薬剤は、以下の8剤であった。
●ハロペリドール(RR:1.57、p=0.00094)
●クロザピン(RR:1.52、p=0.017)
●fluoxetine(RR:1.17、p=0.0037)
●セルトラリン(RR:1.17、p=0.0032)
●citalopram(RR:1.14、p=0.013)
●デュロキセチン(RR:1.24、p=0.00051)
●ベンラファキシン(RR:1.33、p=0.000001)
●ziprasidone(RR:1.25、p=0.0062)

 著者らは「これまでに報告された、双極性障害の薬物療法に関する最大のレトロスペクティブ観察研究では、治療開始2ヵ月以内に患者の大部分が単独療法を終了することが示唆されている。精神医学的入院リスクは、各薬剤間で約2倍の変化が認められた。本データでは、短期間の双極性障害の管理において、リチウムと気分安定薬の使用を支持している。また、ドパミン作動薬であるアリピプラゾールおよびbupropionは、各クラスの他剤よりも良好なアウトカムを示した。抗うつ薬のアウトカムに関しては、ベースライン時の気分の極性により異なる可能性があり、さらなる調査が必要である」としている。

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(鷹野 敦夫)

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