小児・青年に対する抗精神病薬使用と急性ジストニア

提供元:ケアネット

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公開日:2020/05/22

 

 小児および青年における抗精神病薬治療による急性ジストニアの発生率とそのリスク因子について、トルコ・Ankara Yildirim Beyazit UniversityのSelma Tural Hesapcioglu氏らが検討を行った。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2020年4月7日号の報告。

 2015~17年に大学病院の小児および青年期精神科外来を受診し、抗精神病薬による治療を受け、2回以上のフォローアップを受けた患者を対象に、レトロスペクティブチャートレビューに基づくコホート研究を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・抗精神病薬治療を受けた4~19歳の患者は、441例であった。
・抗精神病薬治療の理由は、以下のとおりであった。
 ●行動障害(21.5%)
 ●注意欠如多動症(13.2%)
 ●知的障害を伴う過敏性と攻撃性(12.9%)
・急性ジストニアは、30例(6.8%)で発生し、フォローアップ99.5±223.3日(中央値:34日)後に認められた。
・急性ジストニアは、1つの抗精神病薬で治療された患者391例中11例(2.8%)、2つの抗精神病薬で治療された患者50例中19例(38.0%)で発生した(p<0.001)。
・1つの抗精神病薬で治療された患者における急性ジストニア発症までの期間は、抗精神病薬治療開始後4.0±4.0日、抗精神病薬増量後2.7±2.4日であった。
・2つの抗精神病薬で治療された患者における急性ジストニア発症までの期間は、2つ目の抗精神病薬を追加後3.0±2.3日、2つ目の抗精神病薬増量後1.6±0.8日であった。
・1つの抗精神病薬で治療された患者における急性ジストニア発生率は、第1世代抗精神病薬(FGA)で10.5%、第2世代抗精神病薬(SGA)で2.2%であった(p=0.037)。
・急性ジストニアの発生により、抗精神病薬を変更した患者は急性ジストニアの症例30例中12例(40.0%)であった。
・急性ジストニアに関連する独立したリスク因子は、以下のとおりであった。
 ●抗精神病薬の多剤併用(p<0.0001)
 ●入院治療(p=0.013)
 ●FGA使用(p=0.015)
 ●統合失調症の診断(p=0.039)
 ●双極性障害の診断(p<0.0001)

 著者らは「小児および青年における急性ジストニアのリスクは、SGAや低力価FGAでは低く、中~高力価FGAでは高かった。急性ジストニアの発生には、積極的な抗精神病薬による治療が関連している可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)