高齢の早期乳がん、手術省略で生存率は?

提供元:ケアネット

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公開日:2020/04/15

 

 高齢の手術可能な乳がん患者における手術省略は、生存率に影響はないのだろうか。今回、オランダ・ライデン大学のA. Z. de Boer氏らは、Stage I~IIの80歳以上のホルモン受容体(HR)陽性乳がん患者において調査したところ、手術省略が相対生存率および全生存率低下に関連することが示された。British Journal of Surgery誌オンライン版2020年4月7日号に掲載。

 本研究の対象は、Netherlands Cancer Registryにおいて2003~09年にStage I~IIのHR陽性乳がんと診断された高齢患者(80歳以上)6,464例。手術率の異なる病院の患者間で相対生存率と全生存率を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・相対生存率は、手術率が低い病院で治療を受けた患者のほうが、手術率が高い病院で治療を受けた患者より低かった(5年後:90.2 vs.92.4%、10年後:71.6 vs.88.2%)。
・手術率の低い病院で治療を受けた患者の相対過剰リスクは2.00(95%CI:1.17~3.40)であった。
・全生存率も、手術率が低い病院で治療を受けた患者のほうが、手術率が高い病院で治療を受けた患者より低かった(5年後:48.3 vs.51.3%、10年後:15.0 vs.19.7%、調整ハザード比:1.07、95%CI:1.00~1.14)。

(ケアネット 金沢 浩子)