術後せん妄予防に対するメラトニン~メタ解析

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 外科の高齢患者は、術後せん妄発症リスクが高い。せん妄の予防には、非薬理学的介入が推奨されるが、せん妄の発症を減少させる確固たるエビデンスを有する薬剤は、今のところない。米国・アリゾナ大学のAshley M. Campbell氏らは、周術期のメラトニンが、外科手術を受けた高齢患者のせん妄発症率を低下させるかについて評価を行った。BMC Geriatrics誌2019年10月16日号の報告。

 1990年1月~2017年10月に英語で公表された文献を、PubMed/Medline、Embase、PsycINFO、CINAHLおよびリファレンスより検索した。2人の独立したレビューアーが、タイトルおよびアブストラクトをスクリーニングし、コンセンサス生成とバイアス評価を含む文献全文レビューを行い、データを抽出した。術後入院患者(平均年齢50歳以上)のせん妄を予防するためにメラトニンまたはラメルテオンを使用し、その結果を報告した研究は組み入れ対象とした。固定効果モデルを用いてデータをプールし、フォレストプロットを生成し、せん妄発症率のサマリーオッズ比を算出した。不均一性は、Cochran's Q値およびI2値を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・335件をスクリーニングし、定性分析に6件、メタ解析に6件(1,155例)の研究を抽出した。
・対象研究の患者平均年齢は、59~84歳の範囲であった。
・介入群には、心臓胸部、整形外科、肝臓の手術の前夜または手術当日から1~9日間、メラトニンまたはラメルテオンを2~8mg/日投与していた。
・せん妄の発症率は、介入群で0~30%、対照群で4~33%であり、メラトニン群で有意な減少が認められた。メタ解析のサマリーエフェクトによるオッズ比は0.63(95%CI:0.46~0.87、Cochran's Q=0.006、=72.1%)であった。
・1つの研究を分析より削除すると、全体のオッズ比が0.310(95%CI:0.19~0.50)に減少し、不均一性も減少した(Cochran's Q=0.798、I2=0.000)。

 著者らは「対象研究において、周術期のメラトニンは、高齢患者のせん妄の発症率を低下させることが示唆された。最適な投与量は明らかではないが、メラトニンおよびメラトニン受容体アゴニストの潜在的なベネフィットにより、外科手術を受けた高齢患者のせん妄予防に使用するための選択肢となりうる可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)

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