ペムブロリズマブ、既治療TN乳がんへの単剤投与は?(KEYNOTE-119)/ESMO2019

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 局所進行/転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)患者に対する、2~3次治療としてのペムブロリズマブ単剤療法は、化学療法単剤と比較して生存期間を有意に改善しなかった。しかし、PD-L1発現レベルが上昇するにつれてペムブロリズマブによる治療効果が高まる傾向が確認されている。スペインで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、スペイン・Vall d'Hebron Institute of OncologyのJavier Cortes氏が第III相無作為化非盲検試験KEYNOTE-119の結果を発表した。

・対象:1~2レジメンの全身化学療法(アントラサイクリン系および/またはタキサン系薬剤を含む)を受け、最新の治療でPDとなったmTNBC患者
・試験群:以下の2群に1対1の割合で無作為に割り付け
ペムブロリズマブ群:ペムブロリズマブ(200mgを3週ごと、最大35サイクル) 312例
化学療法群:治験担当医師が選択した化学療法(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、ビノレルビン) 310例
・評価項目:
[主要評価項目]PD-L1陽性患者(CPS ≧10およびCPS ≧1)における全生存期間(OS)、全患者におけるOS
[副次評価項目]全患者における無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、安全性・忍容性。追加の副次評価項目として、全患者およびPD-L1陽性患者(CPS ≧10/CPS ≧1)における奏効持続期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)が加えられた
[探索的解析]PD-L1陽性患者におけるCPSの追加的なカットポイントでのOS、PFS、ORR、DOR

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時点での治療歴は、1ラインの患者がペムブロリズマブ群で59.9%、化学療法群で60.3%を占めた。PD-L1発現状況は、CPS ≧1が65.1% vs.65.2%、CPS ≧10が30.8% vs.31.6%、CPS ≧20が18.3% vs.16.8%であった。
・化学療法の内訳は、エリブリン53.9%、カペシタビン27.4%、ビノレルビン13.9%、ゲムシタビン4.8%であった。
・2019年4月11日のデータカットオフ時点で、追跡期間中央値はペムブロリズマブ群で9.9ヵ月、化学療法群で10.9ヵ月。
・OS中央値は、CPS≧1の患者でペムブロリズマブ群10.7ヵ月 vs. 化学療法群10.2ヵ月(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.69~1.06、p=0.073)、CPS≧10の患者で12.7ヵ月 vs. 11.6ヵ月(HR:0.78、95%CI:0.57~1.06、p=0.057)とペムブロリズマブ群での有意な改善はみられなかった。全患者では9.9ヵ月 vs. 10.8ヵ月(HR:0.97、95%CI:0.82~1.15)、探索的解析項目のCPS≧20の患者では、14.9ヵ月 vs. 12.5ヵ月(HR:0.58、95%CI:0.38~0.88)であった。
・PFS中央値は、全患者で2.1ヵ月 vs. 3.3ヵ月(HR:1.60、95%CI:1.33~1.92)、CPS≧1の患者で2.1ヵ月 vs. 3.1ヵ月(HR:1.35、95%CI:1.08~1.68)、CPS≧10の患者で2.1ヵ月 vs. 3.4ヵ月(HR:1.14、95%CI:0.82~1.59)、CPS≧20の患者で3.4ヵ月 vs. 2.4ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.49~1.18)であった。
・ORRは、CPS≧1の患者で12.3% vs. 9.4%、CPS≧10の患者で17.7% vs. 9.2%、CPS≧20の患者で26.3% vs. 11.5%であった。
・DOR中央値は、CPS≧1の患者で12.2ヵ月vs. 6.5ヵ月、CPS≧10の患者でNR vs. 7.1ヵ月、CPS≧20の患者でNR vs. 7.1ヵ月で、全体としてペムブロリズマブ群で長い傾向がみられた。
・Grade3以上の有害事象は、ペンブロリズマブ34.6% vs.化学療法群49.0%。治療中止や用量調整につながる有害事象の発生は、ペンブロリズマブ群で低かった。Grade3以上の免疫関連有害事象は3.2% vs.1.0%で、死亡例は確認されていない。

(ケアネット 遊佐 なつみ)

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