転移TN乳がんへのアテゾリズマブの効果、PD-L1検査法が重要(IMpassion130)/ESMO2019

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2019/10/04

 

 PD-L1陽性の転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対する1次治療として、nab-パクリタキセル(PTX)への抗PD-L1抗体アテゾリズマブの追加による臨床ベネフィットを示したIMpassion130試験。本試験におけるPD-L1陽性は、VENTANA PD-L1 SP142アッセイを用いて判定している。今回、本試験のサンプルを用いて、SP142アッセイのほか、VENTANA SP263 IHCアッセイ、Dako PD-L1 IHC 22C3アッセイでの分析結果と無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を評価したところ、SP142陽性の患者群において臨床ベネフィットが最大であることが示された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が発表した。

転移TNBC614例のPD-L1陽性率は、SP142陽性が46%、22C3陽性が81%、SP263陽性が75%

 IMpassion130は、PD-L1陽性転移mTNBCへの1次治療として、アテゾリズマブ+nab-PTXとプラセボ+nab-PTXを比較した第III相試験であり、免疫療法による臨床ベネフィットが初めて示された試験である。本試験におけるPD-L1陽性の定義は、SP142アッセイによるPD-L1免疫染色細胞が腫瘍細胞の1%以上とされ、本アッセイがアテゾリズマブ追加によるベネフィットが見込まれるmTNBC患者を決定する検査として承認されている。今回、本試験のサンプルを用いてバイオマーカーに関する探索的事後解析を実施し、SP142アッセイ、SP263アッセイ(どちらも腫瘍浸潤免疫細胞[IC]≧1%で陽性)、22C3アッセイ(複合陽性スコア[CPS] ≧1で陽性)の分析が一致するかを検討し、さらに臨床ベネフィットの予測能力について評価した。

 SP142アッセイのほか、SP263アッセイ、22C3アッセイでの分析結果を評価した主な結果は以下のとおり。

・PD-L1陽性mTNBC614例(ITT集団の68%)のPD-L1状態について、3種類のアッセイを使用して評価可能であった。
・PD-L1陽性率は、SP142陽性が46%、22C3陽性が81%、SP263陽性が75%であった。
・SP142と22C3もしくはSP263との全体的な割合の一致(overall percentage agreement)はそれぞれ64%、69%で、分析一致率は基準以下(90%未満)となり同等ではなかった。
・PFSのハザード比(HR)は、SP142陽性群で0.60(95%信頼区間[CI]:0.47~0.78)、22C3陽性群で0.68(95%CI:0.56~0.82)、SP263陽性群で0.64(95%CI:0.53~0.79)、またOSでは、SP142陽性群で0.74(95%CI:0.54~1.01)、22C3陽性群で0.78(95%CI:0.62~0.99)、SP263陽性群で0.75(95%CI:0.59~0.96)であり、どちらもSP142陽性群で最も小さかった。
・SP142陰性/SP263陽性群、SP142陰性/22C3陽性群では、どちらも陽性であった群に比べて、アテゾリズマブ追加によるPFSおよびOSへのベネフィットが少なかった。

(ケアネット 金沢 浩子)

参考文献・参考サイトはこちら