日本の小中学生におけるインフル予防接種の有効性

提供元:
ケアネット

日本の小中学生におけるインフル予防接種の有効性のイメージ

 インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザの発症予防や発症後の重症化の予防に一定の効果があるとされている。今回、東北大学の國吉 保孝氏らが、地域の小中学生における季節性不活化インフルエンザワクチン接種(IIV)の有効性について2シーズンで評価した結果が報告された。Human Vaccines & Immunotherapeutics誌オンライン版2019年8月19日号に掲載。

 本研究は、公立小中学校の生徒における2012/13年および2014/15年シーズンのデータでの横断調査。調査地域における対象学年の全員にアンケートを配布し、得られた7,945人の回答を分析した。予防接種状況とインフルエンザ発症は、両親または保護者による自己申告式アンケートにより判断した。一般化線形混合モデルを用いて、学校および個人の共変量におけるクラスタリングを調整し、予防接種状況とインフルエンザ発症との関連についてオッズ比および95%信頼区間(CI)を計算した。

 主な結果は以下のとおり。

・予防接種率は2シーズンで同程度であったが、2015年のインフルエンザ発症率は2013年の調査よりも高かった(25% vs.17%)。
・未接種群に対する、1回もしくは2回の予防接種を受けた群におけるオッズ比は、2013年では0.77(95%CI:0.65~0.92)、2015年では0.88(95%CI:0.75~1.02)であった。
・必要な回数の接種を完了した群におけるオッズ比は、2013年では0.75(95%CI:0.62~0.89)、2015年では0.86(95%CI:0.74~1.00)であった。

 これらの結果から、地域社会のリアルワールドにおいて、季節性IIVが日本の小中学生のインフルエンザを予防したことが示された。なお、2シーズン間の臨床効果の差については、「おそらく流行株とワクチン株の抗原性のミスマッチが原因」と著者らは考察している。

(ケアネット 金沢 浩子)

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