好中球・リンパ球比により異なる大腸がんセツキシマブ・化学療法レジメンの生存期間/Clin Colorectal Cancer

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ケアネット

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 好中球・リンパ球比(NLR)は炎症マーカーであると共に、その上昇は腫瘍浸潤リンパ球の減少など抗腫瘍免疫の低下と関連している。4万例以上のさまざまな固形がんのシステマティックレビューとメタ解析において、NLRはすべてのがん種や、病期で予後不良と関連していることが報告されている。大腸がん(CRC)においても、NRL高値はCRCの予後不良の予測因子であることが、メタ解析で示されている。

 転移を有するCRC(mCRC)に対するベバシズマブ・化学療法併用レジメンについては、NLRと臨床結果との関係が後ろ向き研究で報告されている。しかし、mCRCにおけるNLRとセツキシマブ・化学療法併用レジメンとの関連を調べた臨床研究はほとんどない。聖マリアンナ医科大学の砂川優氏らは、セツキシマブ・化学療法併用レジメンの1次治療における、NLRと同レジメンの臨床結果の関連と共に、NLRに影響する免疫関連遺伝子を評価するバイオマーカー研究を実施した。

 セツキシマブ・化学療法併用レジメンによる1次化学療法の前向き臨床試験におけるKRAS野生型mCRC患者77例の組織サンプルからHTG EdgeSeq Oncologyバイオマーカーパネルで、354種の免疫関連遺伝子の発現レベルを測定した。NLRと臨床転帰との関連性は、スピアマンの順位相関係数を用いて評価した。さらに、生存と相関する上位100の遺伝子のなかで、低NLRと高NLR群間で、発現レベルが異なるものを調べるために、2サンプルt検定を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・NLRデータは71例の患者から入手できた。
・NLRは、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)に関連していた(それぞれr=-0.24、p=0.040およびr=-0.29、p=0.010)。
・NLRの中央値は2.68(0.78~9.95)であった。
・PFS中央値は低NLR(2.68未満)で11.8ヵ月、高NLR(2.68以上)で9.1ヵ月と、低NRL群で有意に良好であった(p=0.036)
・OS中央値は低NLR で42.8ヵ月、高NLR 26.7ヵ月と、低NRL群で有意に良好であった(p=0.029)。
・低NLRと高NLR群間で発現レベルが有意に異なっていた遺伝子はLYZTYMPCD68であった(t-test p<0.005、FDR p<0.15)。

 セツキシマブ・化学療法レジメンによる1次治療において、NLRはmCRC患者の生存期間と有意に関連しており、マクロファージの活性に関連した遺伝子がNLRの高値とが関係することが明らかになった。

■参考
Sunakawa Y, et al.Clin Colorectal Cancer. Aug 23. 2018.[Epub ahead of print]

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(ケアネット 細田 雅之)

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