20歳前後のBMIで、乳がんリスク4倍以上の差

提供元:ケアネット

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公開日:2018/07/02

 

 BMIと乳がんリスクの間には、閉経前女性では逆相関、閉経後女性では正相関がみられる。今回、閉経前女性のBMIと乳がんリスクの逆相関がこれまで報告されていたよりも強く、成人初期(18~24歳)で最も強く関連することが、米国・国立がん研究所コホートコンソーシアムが推進するPremenopausal Breast Cancer Collaborative Groupの研究で示唆された。JAMA oncology誌オンライン版2018年6月21日号に掲載。

 本研究では、BMIと閉経前乳がんリスクの逆相関について年代ごとに調査し、現在の年齢、乳がんリスク因子、ホルモン受容体の状態についても検討した。研究グループは、19件の前向きコホートにおける閉経前女性75万8,592人の個々のデータをプールし、18~24歳、25~34歳、35~44歳、45~54歳でのBMIについて閉経前乳がんのハザード比(HR)を、Cox比例ハザード回帰分析を用いて推定した。追跡期間中央値は9.3年(四分位範囲:4.9~13.5年)、1万3,082例で浸潤性もしくは非浸潤性乳がんが発症した。参加者のリクルートは1963年1月1日~2013年12月31日、分析は2013年9月1日~2017年12月31日に実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・75万8,592人の閉経前女性(年齢中央値:40.6歳、四分位範囲:35.2~45.5歳)のデータを分析したところ、BMIと乳がんリスクとの線形の逆相関は、45~54歳のBMI(5kg/m2当たりのHR:0.88、95%CI:0.86~0.91)に比べ、18~24歳のBMI(同:0.77、95%CI:0.73~0.80)で強かった。
・この逆相関は、過体重ではない女性でも観察された。
・18~24歳において、BMIが最低(17.0未満)の群では最高(35.0以上)の群に比べ、乳がんリスクが4.2倍であった(HR:0.24、95%CI:0.14~0.40)。
・現在の年齢や他の乳がんリスク因子の群間で、HRに大きな差はなかった。
・ホルモン受容体陰性乳がんよりも、エストロゲン受容体(ER)陽性および/またはプロゲステロン受容体(PR)陽性乳がんのほうが、すべての年齢層でBMIと強い相関を示した。たとえば、18~24歳のBMIについて5kg/m2当たりのHRは、ER陽性およびPR陽性乳がんでは0.76(95%CI:0.70~0.81)、ホルモン受容体陰性乳がんでは0.85(95%CI:0.76~0.95)であった。
・25~54歳でのBMIは、トリプルネガティブまたはホルモン受容体陰性の乳がんと関連はみられなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)