日本の急性期統合失調症患者に対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性

CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、日本人急性期統合失調症患者におけるブレクスピプラゾールの有効性、安全性、忍容性について、プラセボと比較し、評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年5月18日号の報告。
日本における第II/III相試験として、6週間の多施設二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した。急性期統合失調症患者を対象に、ブレクスピプラゾール1、2、4mg/日またはプラセボ群にランダムに割り付けた。主要評価項目は、ベースラインから6週目におけるPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)総スコアの変化量とした。
主な結果は以下のとおり。
・ランダム化された459例において、プラセボと比較し、以下の変化が認められた。
●ブレクスピプラゾール2mg/日群 有意な改善(治療差:-7.32、p=0.0124)
●ブレクスピプラゾール4mg/日群 改善(治療差:-3.86、p=0.1959)
●ブレクスピプラゾール1mg/日群 最も少ない変化(治療差:-0.63、p=0.8330)
・ブレクスピプラゾール群において、発現率が5%以上およびプラセボと比較し2倍以上であった治療下で発現した有害事象(TEAE)は、嘔吐、血中プロラクチン上昇、下痢、悪心、う蝕であった。
・ほとんどのTEAEの重症度は、軽度~中等度であった。
・ブレクスピプラゾール群では、心電図パラメータ、体重、検査値、バイタルサインの臨床的に有意な変化は認められなかった。
著者らは「日本人成人の急性期統合失調症患者に対するブレクスピプラゾール治療は、有効かつ忍容性が良好であった」としている。
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(鷹野 敦夫)
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