日本の急性期統合失調症患者に対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/06/14 CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、日本人急性期統合失調症患者におけるブレクスピプラゾールの有効性、安全性、忍容性について、プラセボと比較し、評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年5月18日号の報告。 日本における第II/III相試験として、6週間の多施設二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した。急性期統合失調症患者を対象に、ブレクスピプラゾール1、2、4mg/日またはプラセボ群にランダムに割り付けた。主要評価項目は、ベースラインから6週目におけるPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)総スコアの変化量とした。 主な結果は以下のとおり。 ・ランダム化された459例において、プラセボと比較し、以下の変化が認められた。 ●ブレクスピプラゾール2mg/日群 有意な改善(治療差:-7.32、p=0.0124) ●ブレクスピプラゾール4mg/日群 改善(治療差:-3.86、p=0.1959) ●ブレクスピプラゾール1mg/日群 最も少ない変化(治療差:-0.63、p=0.8330) ・ブレクスピプラゾール群において、発現率が5%以上およびプラセボと比較し2倍以上であった治療下で発現した有害事象(TEAE)は、嘔吐、血中プロラクチン上昇、下痢、悪心、う蝕であった。 ・ほとんどのTEAEの重症度は、軽度~中等度であった。 ・ブレクスピプラゾール群では、心電図パラメータ、体重、検査値、バイタルサインの臨床的に有意な変化は認められなかった。 著者らは「日本人成人の急性期統合失調症患者に対するブレクスピプラゾール治療は、有効かつ忍容性が良好であった」としている。 ■関連記事 日本人統合失調症患者におけるブレクスピプラゾールの長期安全性・有効性に関する52週オープンラベル試験 統合失調症の維持治療に対するブレクスピプラゾールの長期安全性評価研究 新しいドパミン受容体パーシャルアゴニスト、ブレクスピプラゾール (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ishigooka J, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2018 May 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ブレクスピプラゾールのリバウンド現象抑制作用 医療一般 日本発エビデンス(2019/09/27) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] mRNAインフルエンザワクチンが「速い」「安い」「確実」を実現するかもしれない(解説:栗原宏氏)(2025/12/31) MASH(代謝異常関連脂肪性肝炎)に対するGLP-1/グルカゴン共受容体作動薬ペムビドチド24週間治療の成績;肝線維化ステージは改善せず(解説:相澤良夫氏)(2025/12/31) 子宮頸がん検診の選択肢に自己採取HPV検査を支持/米国がん協会(2025/12/31) がん免疫療法、投与時刻が効果に影響(2025/12/31) 認知機能低下のサインは運転行動に現れる?(2025/12/31) 疼痛治療薬の副作用が心不全の誤診を招く?(2025/12/31) お尻の形で糖尿病リスクを予測できる?(2025/12/31) 健康診断の新視点、筋肉量指標で高血圧リスクを見える化(2025/12/31) 飛行機や病院の空気中の微生物は皮膚由来の無害な細菌が優勢(2025/12/31) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)