思春期の少年少女における自殺念慮の予測 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/05/04 近年、思春期や若者の自殺率が高まっており、これらの年齢層は、リスクの高い集団であると認識されている。スペイン・ロビラ・イ・ビルジリ大学のFabia Morales-Vives氏らは、自殺念慮が将来の自殺行動の可能性を示す最初の兆候であることを考慮し、思春期の自殺念慮を予測するうえで、精神的な成熟、人格、うつ病、生活満足度の相対的な重要性について検討を行った。The Spanish journal of psychology誌2018年4月10日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・うつ症状は、自殺念慮を最も予測する因子であり、精神的な成熟、生活満足度、感情的安定性も予測因子であった(R2=0.51、p<0.001)。 ・しかし、Multigroup Structural Equation Models分析では、感情的安定性は、うつ症状、生活満足度、自己同一性との関係を通じて、自殺念慮と間接的な関連があることが示唆された。 ・2つの多群構造方程式モデルにより、男女におけるこれらの因子の関連性がより理解された。 ・自立の変数を含むモデルは、少女よりも少年でより適していた(カイ二乗、少女:8.175、少年:1.978)。これは、他のモデルとは異なっていた(カイ二乗、少女:0.288、少年:1.650)。 著者らは「これらの結果は、精神的な成熟のサブスケールである自立が、少年の自殺念慮に影響を及ぼすが、少女においては影響しないことを示唆している。自殺の予測因子としての精神的な成熟の影響については、これまであまり研究されていなかったが、思春期の自殺念慮の予測において考慮すべき特徴であると考えられる」としている。 ■関連記事 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か 自殺予防の介入効果はどの程度あるのか うつ病および自殺に関連する遺伝学的治療標的 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Morales-Vives F, et al. Span J Psychol. 2018;21:E10. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] エボロクマブは、高リスクでない患者にも有効か/NEJM(2025/12/01) 心筋梗塞後のβ遮断薬、LVEF保持例の死亡・再発・心不全を抑制せず/NEJM(2025/12/01) 1型糖尿病患者の妊娠中の血糖管理にクローズドループ療法は有効である(解説:小川大輔氏)(2025/12/01) レカネマブ承認後に明らかとなった日本におけるアルツハイマー病診療の課題(2025/12/01) 再発・難治性DLBCLに対するチサゲンレクルユーセルの5年追跡結果(JULIET)/JCO(2025/12/01) 「ゆっくり食べ、よく噛む」習慣と関連する食事・口腔要因を解明(2025/12/01) 20年で大きく生存率が向上したがん・変化の少ないがん/国立がん研究センター(2025/12/01) IgA腎症に対するフィネレノン+SGLT2阻害薬が蛋白尿を減少(2025/12/01) 解熱鎮痛薬による頭痛誘発、その原因成分とは(2025/12/01) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)