高用量ビタミンDでがん治療関連皮膚障害が改善する可能性

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/30

 

 化学療法や放射線療法に伴う皮膚障害は、疼痛や灼熱感、紅斑などによって患者のQOLを大きく低下させるだけでなく、抗がん治療の減量や中断の原因となる。今回、高用量ビタミンD内服により、化学療法・放射線療法関連皮膚障害が改善する可能性が示された。イリノイ大学(米国)のMihir K. Patil氏らによる本研究結果は、JAMA Dermatology誌オンライン版2026年7月15日号に掲載された。

 本研究は2021年12月~2024年1月に米国の3つの医療機関で実施された後ろ向きケースシリーズだった。対象は化学療法誘発性紅斑(toxic erythema of chemotherapy:TEC)または急性放射線皮膚炎(acute radiation dermatitis:ARD)に対して高用量ビタミンDの経口投与を受け、10日以上追跡された33例だった。患者は平均年齢60.9歳、女性58%、TECが28例(85%)、ARDが5例(15%)で、コレカルシフェロールまたはエルゴカルシフェロール10万IUを1回または2回経口投与された。

 主要評価項目は患者報告による症状改善までの期間、および医師評価による5段階リッカート紅斑スコアの改善とした。副次評価項目として血清カルシウム値の変化や抗がん治療継続の可否を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・症状評価が可能であった30例中26例(87%)で、投与後10日以内に自覚症状の改善が認められた。
・症状改善までの期間中央値は5日(範囲:1~28日)であり、入院患者では3日(1~16日)と、より早期の改善がみられた。
・客観的評価でもリッカート紅斑スコアが改善し、ベースラインの4.36±0.60から10日後には2.21±1.36へ低下した。
・病型別では、好中球性エクリン汗腺炎およびスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症様サブタイプの患者でとくに速やかな反応が認められた。
・血清カルシウム値に有意な変化は認められず、33例中24例(73%)が抗がん治療を中断することなく継続した。

 著者らは、高用量ビタミンDの経口投与は症状および皮膚所見の速やかな改善と関連し、研究期間中に治療関連有害事象は報告されなかったと結論付けた。一方、本研究は後ろ向きのケースシリーズであり、症例数も33例と限られているため、有効性や最適な投与タイミング、対象患者の選択については前向き無作為化比較試験での検証が必要だとした。

(ケアネット 杉崎 真名)