てんかん診断後の自動車運転再開に関する研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/02/20 てんかん診断1年以内に自動車の運転を再開する頻度とその予測因子について、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のYing Xu氏らが検討を行った。Epilepsia誌オンライン版2018年1月16日号の報告。 本研究は、オーストラリア・シドニーにおけるすべての新規てんかん発症患者を対象とした、プロスペクティブ多施設共同コミュニティワイド研究SEISMIC(the Sydney Epilepsy Incidence Study to Measure Illness Consequences)として実施された。てんかんと診断されベースラインに登録された後、できるだけ早い段階で、人口学的特性、社会経済的状況、臨床的特徴、運転状態を収集した。12ヵ月のフォローアップ時における運転再開の予測因子は、多変量ロジスティック回帰を用いて検討を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・てんかん診断前に運転実績を報告していた成人(18歳以上)対象者は、181例(76%)であった。そのうち12ヵ月の運転状態に関する情報を提供した152例中、118例(78%)が運転を再開していた。 ・運転再開(C統計値:0.79)と関連が認められたのは、職場または教育の場で運転するため(OR:4.70、95%CI:1.87~11.86)、再発発作なし(OR:5.15、95%CI:2.07~12.82)、抗てんかん薬単独または抗てんかん薬治療なし(OR:4.54、95%CI:1.45~14.22)であった。 ・再発発作患者の半数以上が、フォローアップ期間中に運転を再開していた。 著者らは「てんかん診断後の自動車運転の早期再開は、仕事や社会的な要求および発作のコントロール状況と関連が認められたが、再発発作を有する多くの患者が運転を続けていた。てんかん患者に対し運転制限対策を実施し、別の交通手段を提供するための、さらなる努力が求められる」としている。 ■関連記事 てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか 認知症ドライバーの運転停止を促すためには 車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Xu Y, et al. Epilepsia. 2018 Jan 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ACSへのPCI後1~12ヵ月でのチカグレロル単独vs.アスピリン併用/Lancet(2024/04/25) セマグルチド、肥満関連の心不全・2型糖尿病に有効/NEJM(2024/04/25) 薬剤溶出性バルーンがもたらす新たな世界(解説:山地杏平氏)(2024/04/25) 雑音対策で補聴器の調節、設定をより正確に/デマント・ジャパン(2024/04/25) 切除不能StageIIIのNSCLCにおけるCRTとデュルバルマブの同時併用の成績(PACIFIC-2)/ELCC2024(2024/04/25) 日本人の遅発性ジスキネジアに対するバルベナジンの有効性と安全性(2024/04/25) 怒りの感情をぶちまけても効果なし(2024/04/25) コロナよりもインフルエンザの方が脳への影響が大きい(2024/04/25) [ あわせて読みたい ] 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31)