オシメルチニブ、CNS転移の進行リスク低減を確認:FLAURA 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/29 AstraZeneca社(本社:英国ロンドン、CEO:Pascal Soriot)は2017年11月18日、シンガポールで開催されたESMOアジア2017で、中枢神経系(CNS)転移に対する有効性についての第III 相FLAURA 試験のサブグループ解析の結果を発表。EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、オシメルチニブ(同:タグリッソ)が、エルロチニブ(商品名:タルセバ)またはゲフィチニブ(同:イレッサ)による標準治療と比較して、CNS病勢進行リスクを低減させたことが明らかになった。 本解析の対象は、独立盲検中央判定によるベースラインスキャンで1つ以上の測定可能および/または測定不能のCNS病変の存在が認められた患者128例(FLAURA 試験全患者の23%、オシメルチニブ群:61例および標準治療群:67例)。CNS転移に対する有効性を両群で比較した結果、CNS 無増悪生存期間(PFS)はオシメルチニブ群で統計学的に有意な改善を示し、CNS病勢進行もしくは死亡のリスクについても50%以上低減した(ハザード比:0.48、95%信頼性区間[CI]:0.26~0.86、名目上のp値:0.014)。また、新たな CNS 病変によって病勢が進行した患者は、オシメルチニブ群でより少なかった(オシメルチニブ群vs.標準治療群:12% vs.30%)。CNS客観的奏効率(腫瘍縮小測定値)もオシメルチニブ群で66%と高く、標準治療群では43%だった(オッズ比:2.5、95%CI:1.2~5.2、p値:0.011)。 なお、同日FLAURA 試験の詳細結果がNew England Journal of Medicine(NEJM)オンライン版に掲出された。 ■参考 AstraZeneca社プレスリリース FLAURA試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 NCSLC1次治療における血漿サンプルEGFR変異検査の評価:FLAURA/WCLC2017 オシメルチニブ、FLAURA試験の日本人サブグループ解析/日本肺癌学会2017 HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017 (ケアネット 遊佐 なつみ) 原著論文はこちら Soria JC, et al.N Engl J Med. 2017 Nov 18.[Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 FLAURA試験における日本人肺がん患者のOS事後解析/日本肺癌学会 医療一般(2019/12/11) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性心房細動患者への薬物的除細動、vernakalant vs.プロカインアミド/BMJ(2025/12/04) eGFRcysとeGFRcrの乖離は死亡・心血管イベントと関連/JAMA(2025/12/04) 鉱質コルチコイド受容体拮抗薬(MRA)とSGLT2阻害薬の併用が慢性腎臓病(CKD)治療の基本となるか(解説:浦信行氏)(2025/12/04) ガイドライン順守率が精神疾患の長期アウトカムに及ぼす影響〜統合失調症とうつ病におけるEGUIDEプロジェクト(2025/12/04) 夕食時間が蛋白尿に影響、時間帯や患者特性は?(2025/12/04) 中年期の高感度トロポニンI高値が認知症と関連/Eur Heart J(2025/12/04) 夜間の人工光が心臓の健康に悪影響を与える(2025/12/04) トランスジェンダー女性のホルモン治療は心血管リスクを高めない(2025/12/04) [ あわせて読みたい ] 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29)