HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017

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 EGFR変異陽性進行NSCLCの1次治療として、第1世代EGFR-TKIによる標準治療に比べ、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が病勢増悪および死亡のリスクを54%減少させた。第Ⅲ相ランダム化比較試験FLAURAの結果に基づき、米国Winship Cancer Institute of Emory UniversityのSuresh Ramalingam氏がスペイン・マドリードにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)のPresidential Symposiumで報告した。

 EGFR変異陽性進行NSCLCの1次治療は、ゲフィチニブやエルロチニブの第1世代EGFR-TKIが標準治療として推奨されているが、半数以上の患者はT790M変異による獲得耐性を生じる。オシメルチニブはEGFR変異およびT790M耐性変異の両方を阻害し、中枢神経系(CNS)転移に対する臨床活性を発揮する第3世代EGFR-TKIである。

 FLAURA試験では、WHO PS 0~1、Del19またはL858RのEGFR遺伝子変異を有する未治療の局所進行または転移性NSCLC患者を対象とし、オシメルチニブ(80mg、1日1回内服)群および標準治療群(ゲフィチニブ250mg、1日1回内服またはエルロチニブ150mg、1日1回内服)に1:1の割合で無作為に割り付けた。層別化因子は、遺伝子変異のタイプ(Del19/L858R)および人種(アジア人/非アジア人)である。いずれの治療群でも病勢増悪が認められるまで治療を継続し、6週ごとにRECIST 1.1基準による評価を行った。標準治療群の患者では、病勢増悪およびT790M陽性が確認された場合、オシメルチニブへのクロスオーバー投与が許容された。主要評価項目は治験担当医師評価による無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性などであった。

 アジア、欧州、および北米より556例が登録され、オシメルチニブ群に279例、標準治療群に277例が割り付けられた。患者背景は両群でバランスがとれており、62%がアジア人、遺伝子変異タイプはDel19が63%、登録時にCNS転移を伴う症例はオシメルチニブ群で19%、標準治療群で23%であった。今回は、データカットオフ2017年6月12日の解析結果が報告された。

 主要評価項目のPFS中央値は、オシメルチニブ群が18.9ヵ月(95%CI: 15.2~21.4)、標準治療群が10.2ヵ月(95%CI: 9.6~11.1)であり、ハザード比0.46(95%CI: 0.37~0.57、p<0.0001)と有意なPFS延長が示された。両治療群のカプランマイヤー曲線は治療開始直後から大きく乖離していた。

 登録時にCNS転移を合併していた患者(116例)におけるPFS解析では、オシメルチニブ群の標準治療群に対するハザード比は0.47(95%CI: 0.30~0.74、p=0.0009)であり、CNS転移を合併していなかった患者(440例)におけるハザード比0.46(95%CI: 0.36~0.59、p<0.0001)と同等のPFSに対する改善効果が示された。

 ORRはオシメルチニブ群が80%、標準治療群が76%(オッズ比1.28)であった。DOR中央値はオシメルチニブ群17.2ヵ月、標準治療群8.5ヵ月と、オシメルチニブ群で約2倍に延長していた。OS解析にはまた十分なイベントが起こっておらず、両治療群ともに生存期間中央値には未到達であったが、中間解析のハザード比は0.63(95%CI: 0.45~0.88)とオシメルチニブ群におけるOS延長傾向が認められた。

 オシメルチニブ群における安全性プロファイルは、標準治療群とほぼ同等であったが、オシメルチニブ群のほうがGrade 3以上の有害事象の発現頻度が低く、治療中止に至る患者の割合も低かった。

 以上の結果から、Ramalingam氏は「オシメルチニブはEGFR変異陽性の進行NSCLC患者に対する新しい標準治療となる」との結論を述べた。

■参考
ESMO2017プレスリリース
FLAURA試験(Clinical Trials.gov)

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(ケアネット)

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