リスペリドンと低力価抗精神病薬の併用、相互作用を検証

提供元:ケアネット

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公開日:2017/06/29

 

 ドイツ・アーヘン工科大学のMichael Paulzen氏らは、リスペリドン(RIS)の代謝に対する低力価抗精神病薬の影響をin vivoで調査した。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌2017年6月2日号の報告。

 1,584例を対象に、RISおよび代謝産物9-OH-RISの血中濃度を含む、治療薬モニタリングデータベースを分析した。RIS群(842例)およびchlorprothixene併用群(67例)、レボメプロマジン併用群(32例)、melperone併用群(46例)、ピパンペロン併用群(63例)、prothipendyl併用群(24例)を比較した。RIS、9-OH-RIS、活性物(RIS+9-OH-RIS:AM)の血中濃度、用量調節血中濃度(C/D)ならびに代謝比(9-OH-RIS/RIS:MR)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・AMとRISにおいて、血中濃度の差異が認められた。
・ペアワイズ比較では、RISの血中濃度は単独療法群よりも併用療法群で有意に高かった。
・chlorprothixene併用群およびprothipendyl併用群では、ほかと差がないことが確認された。
・レボメプロマジン併用群およびmelperone併用群では、AMとRISの血中濃度およびC/Dは高かったが、MRは低かった。
・ピパンペロン併用群では、RISのC/D値が高く、MRが低かった。

 著者らは「RISの代謝変化は、レボメプロマジンおよびmelperoneの薬物相互作用を示唆している。ピパンペロン併用群では、MRが低く、RISの血中濃度およびC/Dレベルが高いほど潜在的な相互作用が示唆される」としている。

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(鷹野 敦夫)