慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/06/07 統合失調症の陰性症状を緩和する際、リスペリドンの補助薬としてのホスホジエステラーゼ3選択的阻害剤シロスタゾールの有効性、安全性について、イラン・Kurdistan University of Medical SciencesのFarzin Rezaei氏らが評価を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2017年4月18日号の報告。 対象は、慢性期統合失調症患者84例。リスペリドンのアジュバント療法としてシロスタゾール(50mg、1日2回)群とプラセボ群に無作為に割り付け、8週間投与を行った。ベースラインおよび2、4、6、8週目にPANSSを用いて評価した。主要アウトカム指標は、PANSS陰性尺度スコアの改善とし、シロスタゾール群の有効性をプラセボ群と比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・一般線形モデル反復測定では、PANSS陰性尺度スコア(p<0.001)とPANSS総スコア(p=0.006)において、時間×治療相互作用の有意な改善効果を示したが、PANSS陽性尺度スコア(p=0.37)、PANSS総合精神病理尺度スコア(p=0.06)では、有意な効果は認められなかった。 ・有害事象の頻度は、両群間で有意な差は認められなかった。 ・重篤な有害事象は、観察されなかった。 著者らは「リスペリドンの補助薬としてシロスタゾールを用いた8週間の治療は、統合失調症患者において良好な安全性と有効性プロファイルを示した」としている。 ■関連記事 各抗精神病薬、賦活系と鎮静系を評価 初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Rezaei F, et al. Hum Psychopharmacol. 2017 Apr 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は 医療一般(2017/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)