BRAF変異肺がんダブラフェニブ・トラメチニブ併用がEUで承認

提供元:ケアネット

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公開日:2017/04/18

 

 ノバルティスは2017年4月13日、欧州委員会がBRAF V600陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に、トラメチニブ(商品名:メキニスト)とダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)の併用を承認したと発表した。

 今回のEUの承認は、ステージ4のBRAF V600E変異NSCLC患者(36例は未治療、57例は化学療法既治療)に対する、第II相3コホート多施設オープンラベル試験の結果に基づき、ダラブフェニブとトラメチニブの併用に対して、ヒト用医薬品委員会(CHMP)が2月にくだした肯定的意見に従う形となった。

 当第II相試験では、前治療なしの36例のORRは61.1%(95%CI:43.5~76.9)であった。このコホートでは、68%の患者が9ヵ月後も無増悪であった。奏効期間(DoR)および無増悪生存期間(PFS)の中央値は未達。前治療ありの57例のORRは66.7%であった(95%CI:52.9~78.6)。このコホートでのDoR中央値は9.8ヵ月(95%CI:6.9~16.0)で、効果は持続的であった。前治療なしコホートの詳細な分析は、今後の医学会議で発表される予定。

 一般的な有害事象(発生率>20%)は、発熱、悪心、嘔吐、末梢浮腫、下痢、皮膚乾燥、食欲減退、無力症、悪寒、咳、疲労、皮疹、呼吸困難であった。

 BRAF V600陽性NSCLCは、世界中で毎年約3万6,000人(肺がん患者の約1〜3%)が診断されていると推定されている。従来は治療法がほとんどなかった患者集団である。

(ケアネット 細田 雅之)