統合失調症患者に対するアドバイスは届いているのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/10/07 医師からの推奨は、医療の意思決定を行う際、不可欠な要素である。しかし、意思決定プロセスのどの時点で行うことが最も良いのか、患者に悪影響を与えないかについては不明なままである。ドイツ・ミュンヘン工科大学のJohannes Hamann氏らは、これらの疑問に対し、統合失調症患者を対象とした検討を行った。BMJ open誌2016年9月16日号の報告。 仮説の意思決定ビネットを含む実験研究を行い、3条件(アドバイスなし、早期アドバイス、後期アドバイス)での医師からの推奨が、患者の意思決定へ及ぼす影響を比較した。ドイツの精神科病院21施設より、統合失調症患者208例が参加した。主要評価項目は、予備試験において多くの患者が好ましくないとした、各条件下でのオプションを選択する患者数とした。副次的評価項目は、患者満足度と誘導抵抗とした。 主な結果は以下のとおり。 ・後半アドバイス患者49例では、他の条件下と比較し、自身の好みに反したアドバイスをより頻繁に受け入れた(早期アドバイス患者36例:p=0.024)。 ・患者にアドバイスを与えることは、すべての医師にとって重要な業務の1つであり、意思決定共有の重要な要因であるが、これまでその影響を明らかにする実証的エビデンスはなかった。 ・効果メカニズムは解明されていないものの、医師からのアドバイスを受けた時点はいつかが、統合失調症患者の判定行動に影響を及ぼすことが示された。 関連医療ニュース 抗精神病薬注射剤を患者は望んでいるのか 統合失調症患者、どんな剤形を望んでいるのか 治療抵抗性うつ病患者が望む、次の治療選択はどれ (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hamann J, et al. BMJ Open. 2016;6:e011282. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心房細動の生涯リスク、直近10年で増加/BMJ(2024/05/03) アルツハイマー病に対するレカネマブ10mg/kg隔週投与の有効性と安全性~メタ解析(2024/05/03) 小さな子どもとの接触は高齢者の肺炎リスクを高める?(2024/05/03) 若い頃の不安定な勤務形態が中年期の健康悪化に関係か(2024/05/03) 世界中でがんによる死亡者数は増加傾向(2024/05/03) 緑内障は「幸福と感じていない」ことと関連、特に男性で顕著(2024/05/03) ペット型ロボットが血液内科の無菌室で活躍(2024/05/03) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)