【JSMO2016見どころ】免疫療法

提供元:ケアネット

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公開日:2016/07/19

 

 2016年7月28日(木)から3日間にわたって、第14回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立って、先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、がん治療の最新動向と、今回のJSMOで注目すべき各領域のトピックが紹介された。
 このうち、がん免疫療法については西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所/先端医療開発センター 腫瘍免疫学担当/免疫TR分野)が登壇した。以下、西川氏のコメントを紹介する。

【西川 博嘉氏コメント】
 免疫チェックポイント阻害剤(とくに抗PD-1抗体)が悪性黒色腫、非小細胞肺がんに臨床導入され、がんに対する免疫応答を人為的に操作することで、がん治療が可能であることが示された。これに続いて腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、一部の大腸がんで従来の治療に対する優位性が示され、臨床応用が期待されている。また膀胱がんに対しては、抗PD-L1抗体がFDAに承認され、さまざまな免疫チェックポイント阻害剤の臨床導入が加速している。加えて、これらのがん免疫療法では、臨床効果が20~30%程度の患者でしかみられないことから、レスポンダーの層別化、ノンレスポンダーへの新規がん免疫療法開発の検討も急速に進んでいる。一方、レスポンダーでの投与継続の必要性、従来の抗がん剤ではみられない副作用など、解決すべき課題も多い。本学会では、世界初の免疫チェックポイント阻害剤、抗CTLA-4抗体の開発者であるJames Allison博士をはじめとする国内外の研究者を集め、現在のがん免疫療法が抱える課題について討論し、今後の展開を考える。

【注目演題】
 本学会では、免疫チェックポイント阻害薬企画特集として、以下7つの演題が用意されている。

特別講演
「がん免疫療法の進歩」
日時:7月29日(金)11:00~12:00
場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)
 
教育講演
「免疫チェックポイント阻害剤~過去、現在、今後の展望~」
日時:7月28日(木)9:00~9:30
場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)

International Symposium
「免疫チェックポイント阻害薬の新展開」
日時:7月28日(木)13:15~14:45
場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)

「免疫チェックポイント阻害薬の期待」
日時:7月28日(木)14:55~16:55
場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)

「免疫チェックポイント阻害薬に対するバイオマーカー研究の最前線」
日時:7月29日(金)8:30~10:10
場所:Room5(神戸国際展示場1号館2F展示室A)

Panel Discussion
「免疫チェックポイント阻害薬の副作用管理」
日時:7月30日(土)13:30~15:30
場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)

JSMO/ASCO Joint Symposium
「Cancer Immunotherapy」
日時:7月30日(土)8:50~11:50
場所:Room1(神戸国際展示場2号館1Fコンベンションホール南)

【第14回日本臨床腫瘍学会学術集会】
会期:2016年7月28日(木)~30日(土)
会場:神戸国際展示場・神戸国際会議場
会長:南 博信(神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科 教授)
テーマ:Breaking through the Barriers:Optimizing Outcomes by Integration and Interaction

第14回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

(ケアネット)