統合失調症へのSSRI投与の必要性は? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/05/27 統合失調症の精神病理的な治療(たとえば、陰性症状やうつ症状)は、いまだに非定型抗精神病薬のわずかな有効性により行われている。臨床現場では、統合失調症の陰性症状やうつ症状を改善するために、抗精神病薬とSSRIの併用が行われているが、陰性症状、うつ症状、強迫症状に対する有効性のデータは対照的である。イタリア・ミラノ大学のMassimiliano Buoli氏らは、統合失調症に対するSSRIの使用および有効性の概要を得るため、メインデータベースを用いた検討を行った。Expert opinion on pharmacotherapy誌オンライン版2016年5月5日号の報告。 専門家の主な意見は以下のとおり。 ・決定的な根拠となるには、データが乏しかった。予備的な手法によると、統合失調症の抑うつ症状に対しSSRIは効果を示さないことが利用可能なデータで示唆された。 ・陰性症状については、研究は対照的であったが、SSRIの中ではパロキセチンが最も有効であると考えられる。 ・限られたデータではあるが、統合失調症の強迫症状に対しSSRI(とくにフルボキサミン)は、有効であると考えられる。 ・抗精神病薬と抗うつ薬を併用する場合には、潜在的に重篤な副作用や血漿薬物投与に及ぼす影響を、臨床的および薬理学的にモニタリングする必要がある。 関連医療ニュース 統合失調症患者への抗うつ薬併用、効果はどの程度か 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Buoli M, et al. Expert Opin Pharmacother. 2016 May 21:1-11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 疫学(危険因子)(2013/01/31) SSRIの副作用プロファイル~自然主義的横断研究 医療一般(2021/10/18) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)