加齢性難聴における飲酒の影響については結論が出ていない。今回、東北大学の高橋 ひより氏らが東北メディカル・メガバンク計画のコホートデータを用いた横断研究を実施したところ、飲酒と加齢性難聴との間に関連がみられ、その関連は男女によって異なることが示唆された。男性では、過度の飲酒は潜在的な危険因子となるが、女性では、適度な飲酒は保護効果をもたらす可能性があるという。Scientific Reports誌オンライン版2025年12月2日号に掲載。
本研究では、東北メディカル・メガバンク計画のコホートデータ(自己申告式質問票および純音聴力検査閾値:500、1,000、2,000、4,000Hz)を用いて、飲酒量と加齢性難聴の関連を調査した。加齢性難聴は、聞こえが良いほうの耳で閾値が25dBを超える状態と定義した。50~79歳の男性5,219人と女性9,266人を対象に、多重ロジスティック回帰分析を男女別に実施した。
主な結果は以下のとおり。
・男性では、1日当たりアルコール摂取量が60~80g(オッズ比[OR]:1.42、95%信頼区間[CI]:1.05~1.94)および80g以上(OR:1.55、95%CI:1.12~2.16)において4,000Hzでの加齢性難聴の発症リスクが高いことと有意に関連していた。
・一方、女性では1日当たり10~20gのアルコール摂取が4,000Hzにおける加齢性難聴の発症リスクが低いことと有意に関連していた(OR:0.81、95%CI:0.68~0.96)。
・飲酒関連の一塩基多型(SNP)の評価から、アルコールが加齢性難聴に及ぼす影響は遺伝子型によって異なる可能性が示唆された。
(ケアネット 金沢 浩子)