統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/11/05 統合失調症患者における陰性症状は慢性的な障害となることが多いが、現在の治療方法で著効することは必ずしも多くない。陰性症状に対し、抗うつ薬が用いられることもあるが、その有用性は明らかになっていない。ドイツ・ハンブルク大学のKim Hinkelmann氏らは、無作為化二重盲検試験にて統合失調症患者の陰性症状に対する抗うつ薬追加投与の効果を検討した。Journal of clinical psychopharmacology誌2013年10月号の報告。 対象は、DSM-IVで統合失調症と診断された患者のうち陰性症状が優位な58例。対象患者をシタロプラム、レボキセチン(いずれも国内未承認)、またはプラセボ群に無作為に割り付け、4週間投与を行った。PANSSとハミルトンうつ病評価尺度による反復測定共分散分析にて評価した。治療群との反応率を比較するためにカイ二乗検定を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・PANSS下位尺度は、反復測定共分散分析では治療群(処置x時間)との間に差が認められなかった。 ・軽度うつ病基準を満たす患者におけるサブグループ解析では、これまでの報告と同様にシタロプラム群がレボキセチン群と比較して高い反応率を示した。しかしながら有意水準には達しなかった。 ・本研究において、統合失調症患者の陰性症状に対する抗うつ薬補助療法の有用性は示されなかった。 関連医療ニュース うつ病に対するアリピプラゾール強化療法、低用量で改善 セロトニン3受容体、統合失調症の陰性症状改善に期待:藤田保健衛生大学 統合失調症患者にNaSSA増強療法は有用か:藤田保健衛生大学 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hinkelmann K, et al. J Clin Psychopharmacol. 2013 Oct;33(5):686-90. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心エコーの自動解析AIシステム「PanEcho」、精度は?/JAMA(2025/07/04) 1日1回の経口orforglipron、早期2型DMのHbA1c改善/NEJM(2025/07/04) 賃金・物価上昇、診療報酬改定が直撃!診療所の経営は?/医師1,000人アンケート(2025/07/04) 双極性うつ病に対する抗うつ薬使用と躁転リスク(2025/07/04) オピオイド使用がん患者へのナルデメジン、便秘予防にも有用~日本のRCTで評価/JCO(2025/07/04) 内側側頭葉切除術は薬剤抵抗性てんかんの発作を高率に抑制する(2025/07/04) 先行的腎移植にベネフィットはあるのか(2025/07/04) 乳児期の犬への曝露は幼少期のアトピーリスクを低下させる?(2025/07/04)