アルツハイマー病の診断において、血液バイオマーカーによる検査が注目されており、日本でも保険適用が待ち望まれている。東京大学の五十嵐 中氏らは、日本でのレカネマブ治療について、異なるワークフローにおける現在の診断検査の状況を推定するため、本研究を実施した。Alzheimer's & Dementia誌2025年10・11月号の報告。
ダイナミックシミュレーションを用いて、4つのシナリオ(現在の診断ワークフロー、トリアージツールとしての血液バイオマーカー[BBM]検査、確認診断のためのBBM検査およびこれらの併用)に関して、待ち時間と治療対象患者数を推定した。検査の需要を推定するため、オンライン調査により支払意思額(WTP)と無形費用を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・現在のワークフロー下における最大平均待ち時間は6.4ヵ月と推定され、BBMの導入により待ち時間の減少が認められた。
・BBMに基づく確認診断により、治療対象患者数が大幅に増加した。
・BBMによるトリアージ検査は、待ち時間の短縮をもたらしたが、一時的に治療対象患者数を増加させた。
著者らは「PETや脳脊髄液検査をBBMに基づく診断に置き換えることで、コスト削減による治療対象患者数の増加が期待され、検査需要の増加につながる可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)