糖尿病治療薬併用による陰性症状改善効果を検証 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/02 統合失調症の陰性症状の病態生理における炎症、酸化ストレス、代謝異常の明確な中心的役割は、これら症状に対する薬理学的選択肢の可能性に新たな見解をもたらした。ピオグリタゾンは、抗炎症および抗酸化性を有する糖尿病治療薬である。イラン・テヘラン大学のNegar Iranpour氏らは、統合失調症の陰性症状の軽減を目的としたリスペリドンの補助療法としてのピオグリタゾンの有効性を評価した。Human psychopharmacology誌オンライン版2016年2月8日号の報告。 本試験は、プラセボ対照無作為化二重盲検試験にて行われた。対象は、PANSS陰性尺度20以上の慢性期統合失調症患者40例。対象患者は、リスペリドンに加えてピオグリタゾン(30mg/日)またはプラセボを併用する群に無作為に割り付けられ、8週間の投与を受けた。患者の症状と有害事象は、ベースライン、2、4、6、8週目に評価した。主要評価項目は、PANSS陰性尺度スコア減少の2群間の差とした。 主な結果は以下のとおり。 ・試験終了時、ピオグリタゾン併用患者は、プラセボ群と比較して、PANSS陰性尺度スコアの有意な改善が認められた(p<0.001)。また、PANSS総スコアの有意な改善も認められた(p=0.01)。 ・本試験では、統合失調症の陰性症状軽減にピオグリタゾン増強療法が有効である可能性が示唆された。 関連医療ニュース 閉経後の女性統合失調症、陰性症状改善にSERM併用が有用 統合失調症の陰性症状軽減へ新たな選択肢となりうるか 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Iranpour N, et al. Hum Psychopharmacol. 2016 Feb 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は 医療一般(2017/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 (2018/12/15) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.2(2018/08/07) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1(2018/04/07)