クリスマスは本当に自殺者が多いのか

クリスマスの時期は他の休日と比較して、オーストリアにおける自殺率が低いことが、オーストリア・パラケルスス医科大学のMartin Ploderl氏らによる研究で明らかになった。このことは、楽しい休日を過ごすはずだったのに期待外れに終わった失望が自殺率に影響するとした「broken-promise effect」の仮説を打ち消すものであり、より適切なタイミングで自殺予防を行う手助けとなりうるかもしれない。European journal of public health 誌2014年9月 22日号の掲載報告。
クリスマスが近くなると自殺が増えるという神話に反し、複数の研究では、クリスマスが近づくと自殺率が低下し、新年初めに通常に戻るあるいはピークとなることが明らかになっている。そのため、本研究では、オーストリアにおいてもこの現象が起こるのかについて調査した。
分析は、2000~2013年の公式の自殺統計に基づき、ポアソン回帰分析およびベイジアン変化点分析を用いて行った。他の主要な祝日と週末における自殺率の変化についても調査した。季節的な影響は、解析する期間を限定することで制御した。
主な結果は以下のとおり。
<自殺率の推移>
・クリスマスが近づくと低下し、12月24日に最低となった。
・12月25日から大晦日までは低いまま推移した。
・1月1日に最高となったが、年明けの1週間は平均レベルで推移した。
・復活祭(Easter)の翌週に増加した。
・週末後の、月曜日、火曜日に増加した。
・聖霊降誕祭(Whitsun;復活祭の7週間後の日曜日)の後や、夏季休暇後の週では、有意な変化はみられなかった。
(ケアネット 武田 真貴子)
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