抗てんかん薬、ペットのてんかんにも有効か

イヌの特発性てんかん(IE)の治療には、さまざまな抗てんかん薬(AED)が使用されているが、それらの臨床的有効性に関する情報は限定的なものであった。英国ロンドン大学ロイヤル・ベタリナリー・カレッジのMarios Charalambous氏らは、従来エビデンスの評価を行うことを目的に、イヌのてんかん治療について系統的レビューを行った。BMC Veterinary Research誌2014年10月号の掲載報告。
系統的レビューは、PubMed、CAB Directをソースとして、発表期日や言語に制限を設けずに検索して行われた。カンファレンス議事録も検索対象とし、イヌIEへのAEDの有効性を客観的に記述しているピアレビュー完遂試験を包含した。試験は、Aグループ(盲検臨床試験[bRCT]、非盲検無作為化試験[nbRCT]、非無作為化試験[NRCT])とBグループ(非対照臨床試験[UCT]、症例シリーズ)に分類し検討した。個々の試験について、エビデンスの質(試験デザイン、試験群サイズ、被験者登録の質、全バイアスリスク)と、報告されていたアウトカム尺度(とくに発作の頻度が50%以上低下したイヌの割合)に基づき評価した。
主な結果は以下のとおり。
・2件の議事録を含む26試験において、IE治療に使用したAEDの臨床的アウトカムが報告されていた。
・試験デザインおよびアウトカム尺度の不均一性により、適切なメタ解析は行えなかった。
・Aグループに分類できたのは、4件のbRCTsだけであった。それらは、質の高いエビデンスを提供するとみなされた。
・経口フェノバルビタールおよびイメピトインの有効性は、レベルが良好のエビデンスにより裏付けられた。また、レベルがかなり高いエビデンスにより、経口臭化カリウムとレベチラセタムの有効性が裏付けられた。
・残るAEDについては、有効性に関して良好な結果が報告されていた。しかし、bRCTが不足しており、使用を裏付けるエビデンスは不十分であった。
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