糖尿病患者のCOPD増悪、ステロイドで血糖値は?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/09/18

 

 COPD増悪を起こした2型糖尿病患者にステロイドを投与しても、血糖値の有意な上昇は認められなかったことを、イスラエル・Nazareth病院のGeorge Habib氏らが明らかにした。Respiratory Medicine誌2014年8月22日号の掲載報告。

 ステロイドの投与によって、血糖値の上昇が起こることは知られている。しかし、これまで、COPD増悪を起こした2型糖尿病患者のHbA1cに対するステロイドの影響を検討した研究はなかった。

 本研究ではCOPD増悪により入院した2型糖尿病患者をグループ1、対照群として増悪以外の理由で入院したCOPDを有する2型糖尿病患者(年齢・性別により調整)をグループ2とした。両グループとも入院時とその3ヵ月後にHbA1cを評価し、人口統計学的および臨床検査項目の変化、ステロイド総投与量を検討した。

 両グループのパラメーターの比較には、Mann-WhitneyのU検定と、カイ二乗検定/Fisherの正確確率検定を用い、入院時と3ヵ月後のHbA1cの比較には、Wilcoxonの符号順位検定を用いた。また、多変量線形回帰分析により、グループ1におけるHbA1cの変化の予測因子を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・グループ1は23例、グループ2は21例であり、全44例中39例が男性であった。
・平均年齢は66.2±8.2歳で、両グループとも糖尿病の治療が強化されていた。
・グループ1ではHbA1cに有意な変化は認められなかったが(p=0.416)、グループ2では有意な減少が認められた(p=0.032)。
・ステロイド総投与量は、グループ1におけるHbA1c増加の予測因子であった(p=0.026)。

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(ケアネット 佐藤 駿介)