慢性疼痛の新規発症に性別や職業が関与?:慶應義塾大学

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/03

 

 2010年にわが国で行われた疫学調査において、筋骨格系慢性疼痛の有症者の多くは1年以上の治療歴があるにもかかわらず治療効果は不十分で、日常生活の質に悪影響を及ぼしている実態が明らかとなった。この結果を受けて慶応義塾大学医学部整形外科の准教授・中村雅也氏らは、2011年に再調査を行い、慢性疼痛の新規発症には性別や職業などが関与しており、腰痛は疼痛継続の危険因子であることなどを示した。疼痛継続者の治療に対する満足度は低く、高リスク者への対策が必要とまとめている。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年2月7日付の報告。

 研究グループは、わが国における筋骨格系慢性疼痛の新規発症率や継続率と、これらに関わる因子について検討する目的で、2010年に実施した疫学調査の対象者(全国から無作為に抽出した18歳以上の1万1,507例)に、再度、質問票を郵送し、慢性疼痛の有無や治療の状況などを調査した。

 2010年の調査で慢性疼痛があると回答した1,717例中85%、慢性疼痛がないと回答した6,283例中76%から回答を得た。

 主な結果は以下のとおり。

・筋骨格系慢性疼痛の新規発症率は、11.1%であった。
・新規発症に関与する因子は、女性、職業(専門職、管理職、事務/技術職)、BMI 25以上、飲酒者・喫煙者、高学歴者であった。
・慢性疼痛の継続率は、45.2%であった。
・疼痛継続に関与する因子は、疼痛強度の強さ(VASスコアが7以上)、5年以上の疼痛継続、腰痛であった。
・慢性疼痛継続者の80%以上で治療歴があり、調査時点で約30%がまだ治療を受けていたが、残りの50%は疼痛があるにもかかわらず治療を中止していた。

(ケアネット)