腰痛と睡眠障害は互いに影響し合う?

腰痛患者において、疼痛強度と睡眠障害は双方向に関連し合っていることが、オーストラリア・シドニー大学のSaad M. Alsaadi氏らによる研究の結果、明らかになった。その関連は、疼痛期間や、ベースライン時にうつや不安の症状があることとは独立していたが、睡眠の評価方法による違い(睡眠日誌かアームバンドによる評価か)に若干依存していたという。検討結果を踏まえて著者は、睡眠の改善を目的とした治療が疼痛の軽減につながるかどうかは、さらなる研究が必要であると述べている。Clinical Journal of Pain誌オンライン版2014年1月20日の掲載報告。
研究グループは、腰痛患者の疼痛強度と睡眠障害の関連を調べるとともに、疼痛の持続期間、うつや不安、睡眠の評価方法との関連についても調査することを目的とした。
対象は腰痛患者80例で、睡眠日誌に毎日睡眠の状況と腰痛の疼痛強度について記入してもらった(疼痛評価は1日2回)。80例のうち50例では、さらに電子装置(アームバンド)を装着してもらい7日間連続して睡眠を測定した。
試験開始時に、DASS(Depression Anxiety Stress Scale)-21を用いて、うつおよび不安の症状を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・一般化推定方程式を用いた分析の結果、質の悪い睡眠、入眠困難(睡眠日誌による評価)、入眠後の覚醒、低い睡眠効率(睡眠日誌およびアームバンドによる評価)の後は、日中の疼痛強度が高かった。
・疼痛強度がより高い日の夜は、睡眠の質の低下、睡眠潜時の増加(睡眠日誌による評価)、入眠後の覚醒(睡眠日誌およびアームバンドによる評価)、睡眠効率の低下(アームバンドによる評価)が認められた。
・疼痛強度と睡眠との関連は、疼痛の持続期間、試験開始時のうつや不安と独立していたが、睡眠の評価方法(睡眠日誌またはアームバンド)に若干依存していた。
(ケアネット)
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