HIVインテグレース阻害薬ドルテグラビル 年内に欧米で新薬承認申請へ

提供元:ケアネット

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公開日:2012/10/08

 

 塩野義製薬株式会社は4日、同社とViiV Healthcare社が共同で立ち上げたジョイントベンチャーであるShionogi-ViiV Healthcare LLC(本社:米国デラウェア州)を通じて開発中の次世代インテグレース阻害薬ドルテグラビル(一般名、塩野義製薬 開発番号:S-349572)に関して、欧米にて新薬承認申請を行うために必要な臨床試験データが、計4つの第3相臨床試験から得られたと発表した。

 ドルテグラビルの第3相臨床試験は2010年10月から開始され、4つの臨床試験のうちすでにSPRING-2試験およびSINGLE試験において、主要評価項目を満たす良好な結果が得られたことを、同社は、2012年4月と7月に報告している。今回、ほかの2つの臨床試験(VIKING-3試験およびSAILING 試験)においても、承認申請を行うために必要なデータとして、VIKING-3試験からは主要評価項目に関するデータが得られ、SAILING試験からは良好な中間解析結果が得られたという。Shionogi-ViiV Healthcare LLCは、所期の目的を達成したことから、これら4つの第3相臨床試験を含め、これまでに得られたデータを基に、2012年中にドルテグラビルの新薬承認申請を行う予定とのこと。なお、VIKING-3試験およびSAILING試験の結果の詳細は、今後、学会にて発表予定。

 インテグレース阻害薬は、HIVの治療において重要性が認識されている新しいクラスの薬剤。しかし、既存のインテグレース阻害薬においては、ウイルスの耐性化や1日2回投与またはブースターが必要という服用の煩雑さ等が指摘されている。ドルテグラビルは、1日1回投与でブースターを必要とせず、また優れた耐性プロファイルを示すことが期待されている次世代のインテグレース阻害薬として、Shionogi-ViiV Healthcare LLCにより臨床試験が実施されてきた。

 ドルテグラビルをはじめとするインテグレース阻害薬は、HIVウイルスの複製に不可欠で持続的な感染の要因となる、ウイルスDNAがヒト免疫細胞(T細胞)の遺伝物質に組み込まれる過程を阻害することにより、HIVウイルスが複製されることを防ぐ。

詳細はプレスリリースへ(PDF)
http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/121004.pdf