椎間板起因の腰痛に低レベルレーザー療法が有効 最終更新:2015/07/01 医療一般 近年、低レベルレーザー療法(LLLT)の臨床応用が進んでいる。中国・Asia Medical Pain CentreのDavid Ip氏らは、椎間板起因の腰痛患者を対象にLLLTの臨床的有用性を検討し、有効性は90%以上で、その効果は長期にわたり持続することを示した。著者は、「LLLTは椎間板起因の腰痛に対する保存的治療において有用な治療選択肢である」とまとめている。Journal of Pain Research誌2015年5月26日号の掲載報告。
急性虫垂炎は抗菌薬で治療が可能か?/JAMA 最終更新:2015/06/30 ジャーナル四天王 単純性急性虫垂炎への抗菌薬治療は、虫垂切除術に対して非劣性ではないことが、フィンランド・トゥルク大学病院のPaulina Salminen氏らが実施したAPPAC試験で示された。本症の治療では、1世紀以上にわたり手術が標準とされてきた。一方、近年、3つの無作為化試験や5つのメタ解析など、抗菌薬治療を支持するエビデンスが増えていたが、個々の試験には限界があるため、依然として標準治療は虫垂切除術とされている。JAMA誌2015年6月16日号掲載の報告より。
TECOS試験:DPP-4阻害薬は心血管イベントを抑止しうるか(解説:吉岡 成人 氏)-375 最終更新:2015/06/30 CLEAR!ジャーナル四天王 2型糖尿病患者において、病初期から厳格な血糖管理を目指すことで心血管イベントや死亡のリスクを有意に低減できる可能性を示したUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)80試験は、legacy effectという言葉を生み出した。しかし、糖尿病の罹病期間が長く大血管障害のリスクが高い患者や、すでに大血管障害を引き起こした患者に厳格な血糖管理を試みた大規模臨床試験であるACCORD試験(Action to control Cardiovascular Risk in Diabetes)、ADVANCE試験(Action in Diabetes and Vascular Disease:Preterax and diamicron Modified Release Controlled Evaluation)、VADT試験(Veterans Affairs Diabetes Trial)では、厳格な血糖管理を目指すことの有用性は確認できず、とくに、ACCORD試験では低血糖による死亡率の上昇が大きな懸念として取り上げられた。
VADT試験:厳格な血糖管理は2型糖尿病患者の心血管イベントの抑制に有用なのか(解説:吉岡 成人 氏)-374 最終更新:2015/06/30 CLEAR!ジャーナル四天王 糖尿病の治療の目的は、血糖、血圧、血中脂質などの代謝指標を良好に管理することによって、糖尿病に特有な細小血管障害(網膜症、腎症、神経障害)および動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患)の発症・進展を阻止し、糖尿病ではない人と同様な日常生活の質(QOL:quality of life)を維持して、充実した「健康寿命」を確保することである。この点に関し、1型糖尿病患者を対象としたDCCT試験(Diabetes Control and Complications Trial)、2型糖尿病を対象としたUKPDS試験(United Kingdom Prospective Diabetes Study)などの長期にわたる大規模前向き介入試験で、HbA1c 7.0%前後の厳格な血糖コントロールを目指すことで、細小血管障害のみならず、大血管障害の発症・進展が抑止されうることが示唆された。しかし、動脈硬化性疾患のリスクが集積した2型糖尿病患者にHbA1cの正常化を目指すことの臨床的意義を検証したACCORD試験 (Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)、ADVANCE試験 (Action in Diabetes and Vascular Disease:Preterax and Diamicron Modified Release Controlled Evaluation )、VADT 試験(Veterans Affairs Diabetes Trial)では、数年間にわたって厳格な血糖管理を目指すことの有用性は確認できず、とくにACCORD試験では厳格な血糖管理を目指した群で死亡率が上昇するという予想外の結果が得られた。その理由として、厳格な血糖管理を目指すことで引き起こされる低血糖によって、炎症反応、好中球や血小板の活性化、凝固系の異常、心電図におけるQT間隔の延長と不整脈の惹起、血管内皮機能への影響などがあいまって心血管イベントに結び付く可能性が示唆された。
抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA 最終更新:2015/06/30 医療一般 脂質異常症は非定型抗精神病薬の有害事象としてよく知られているが、各非定型抗精神病薬のリスクを定量的に比較した研究は少ない。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の竹内 由則氏らは、連続した疫学調査を用い、日本で承認されている非定型抗精神病薬の使用に関連する脂質異常症のリスクを比較評価した。Drug safety誌オンライン版2015年5月23日号の報告。
難病患者のためのSNS「RD-Oasis」がリリース 最終更新:2015/06/30 医療一般 NPO法人希少難病ネットつながるは、難病や障害のある当事者、およびその家族・支援者等のための専用SNS「RD-Oasis」をリリースした。
小児アトピーへのpimecrolimus、がんリスク増大せず 最終更新:2015/06/30 医療一般 米国FDAにより、「アトピー性皮膚炎への外用pimecrolimus(国内未承認)の使用は悪性腫瘍リスクと関連する可能性がある」と黒枠警告されている。米国・ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院のDavid J. Margolis氏らは、2万5,000人年超をベースとした市販後調査コホートにおける同リスクの評価を行い、統計的にがんリスク増大との有意な関連はみられなかったことを報告した。JAMA Dermatology誌2015年6月1日号の掲載報告。
乳がん患者は禁煙の重要性を知らされるべき 最終更新:2015/06/30 疫学(予後) 乳がん患者における能動喫煙と死亡リスクとの関連について、これまでの報告は一貫していない。宮城県立がんセンターの角川 陽一郎氏らは、女性の乳がん患者において、能動喫煙および受動喫煙と全死因死亡および乳がん特異的死亡リスクとの関連を、閉経状況およびエストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER / PR)の状態別に検討した。その結果、長期間の能動喫煙は、閉経前の、おそらくホルモン受容体陽性乳がん患者における、全死因死亡および乳がん特異的死亡リスクの増加と関連することが示唆された。著者らは、「乳がん患者は禁煙の重要性を知らされるべき」としている。Cancer science誌オンライン版2015年6月6日号に掲載。
新薬情報:効能・効果、用法・用量追加(ボトックス注用50単位・100単位) 最終更新:2015/06/30 新薬情報 2015年6月26日承認 ボトックス注用50単位・100単位(グラクソ・スミスクライン) A型ボツリヌス毒素
新薬情報:効能・効果、用法・用量追加(ゾシン静注用2.25・同4.5、ゾシン配合点滴静注用バッグ4.5) 最終更新:2015/06/30 新薬情報 2015年6月26日承認 ゾシン静注用2.25・同4.5、ゾシン配合点滴静注用バッグ4.5(大鵬薬品) タゾバクタム・ピペラシリン
新薬情報:効能・効果追加(アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、アイリーア硝子体内注射用キット40mg/mL) 最終更新:2015/06/30 新薬情報 2015年6月26日承認 アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、アイリーア硝子体内注射用キット40mg/mL(バイエル薬品/参天製薬) アフリベルセプト(遺伝子組換え)
新薬情報:用法・用量追加(リバロ錠1mg・同2mg、リバロOD錠1mg・同2mg) 最終更新:2015/06/30 新薬情報 2015年6月26日承認 リバロ錠1mg・同2mg、リバロOD錠1mg・同2mg(興和/興和創薬) ピタバスタチンカルシウム水和物
新薬情報:効能・効果、用法・用量追加(ラジカット注30mg、ラジカット点滴静注バッグ30mg) 最終更新:2015/06/30 新薬情報 2015年6月26日承認 ラジカット注30mg、ラジカット点滴静注バッグ30mg(田辺三菱製薬) エダラボン
大腸内視鏡検診、がんの生涯リスクを抑制/JAMA 最終更新:2015/06/29 ジャーナル四天王 大腸内視鏡による大腸がん検診では、腺腫検出率(adenoma detection rate:ADR)が高いほど、大腸がんの発症や大腸がん死の生涯リスクが抑制され、費用は増大しないことが、オランダ・エラスムスMC大学医療センターのReinier GS Meester氏らの検討で示された。ADRは検診の質の指標とされるが、施術者によって3倍以上の大きなばらつきがみられ、最もADRが高い施術者に比べ最も低い施術者では、10年以内の大腸がんの発症リスクが約50%、がん死のリスクは約60%上昇するという。一方、ADRが高いと低リスクの小ポリープの検出が増加し、追加検査や合併症が増えるため、不利益が利益を上回る可能性が示唆されている。JAMA誌2015年6月16日号掲載の報告。
複合免疫不全症の遺伝子欠損を特定/NEJM 最終更新:2015/06/29 ジャーナル四天王 複合免疫不全症からの早期発症の侵襲性細菌・ウイルス感染症を発症した小児について、常染色体劣性のdedicator of cytokinesis 2 遺伝子(DOCK2)の欠損を特定したことを、米国・ボストン小児病院のKerry Dobbs氏らが報告した。複合免疫不全症は、存在するT細胞の量的および機能的不足というT細胞免疫の先天異常を特徴とする。液性免疫障害も一般的にみられ、患者は重度の感染症または自己免疫疾患、あるいは両方を呈する。複合免疫不全症は複数のタイプがみられ、特異的な分子、細胞および臨床的特徴は不明のままであった。NEJM誌2015年6月18日号掲載の報告より。
米国FDAによる不承認のレターと企業によるプレスリリースの相違(解説:折笠 秀樹 氏)-373 最終更新:2015/06/29 CLEAR!ジャーナル四天王 米国FDAによって不承認の決定がなされるときは、非公開のレター(Complete Response Letter:CRLと略す)が企業へ送付されるようである。それには、承認しなかった理由が述べられている。本研究では、2008年から2013年に発行された61通のCRLを研究対象とした。FDAが企業へ送ったCRLと、それを受けて企業が行ったプレスリリースとの相違について調査することが目的であった。まず、企業がプレスリリースを行わなかった例が11通(18%)あった。また、プレスリリースとCRLの中身が完全に異なっていた例が13通(21%)、一部異なっていた例が35通(58%)、完全に一致していたものは2通(3%)しかなかった。
統合失調症発症予測に喫煙が関連 最終更新:2015/06/29 医療一般 米国バージニア・コモンウェルス大学のKenneth S. Kendler氏らは、喫煙と将来の統合失調症または非感情性精神病リスクとの関連を明らかにするため、スウェーデンの出生および徴兵登録より収集したデータを検討した。その結果、喫煙が統合失調症の将来リスクを予測しうることを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年6月5日号の掲載報告。