日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1108

FDAが骨髄異形成症候群に対する「Dacogen」の5日間投与に関する用法・用量追加申請を受理

エーザイ株式会社8日、米国子会社:エーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカ(本社:ニュージャージー州)が、米国食品医薬品局(FDA)が、DNAメチル化阻害剤「Dacogen」注射剤(一般名:decitabine)の骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes: MDS)における5日間投与に関して、同社が提出した用法・用量追加申請の受理を発表したと報告した。

せき症状への抗生剤処方は無意味

カーディフ大学(イギリス・ウェールズ)プライマリ・ケア/公衆衛生部門のC C Butler氏らは、ヨーロッパ13ヵ国における外来患者への抗生剤処方について調査を行った。外来患者で最も多い主訴の1つ、せき症状に対する処方率・種類を調べ、回復との関連性を調べた。これまでもヨーロッパ各国間には、抗生剤処方に大きな違いがあること(下気道感染:オランダ27%、イギリス75%など)は知られていたが、そうした違いが、各国間の患者の回復に違いをもたらしているのかどうかは不明だった。結果は、BMJ誌2009年6月27日号(オンライン版2009年6月23日号)で掲載されている。

禁煙は妊娠15週までに

妊娠中の喫煙と、自然未熟児出産および在胎期間に比べて小さい不当軽量児出産との関連は、すでに立証されており、妊娠した女性には禁煙が勧められる。しかしこれまで、妊娠初期に禁煙すれば、胎児への有害な影響が回避できるかどうかは検証されていなかった。オークランド大学(ニュージーランド)産科婦人科のLesley M E McCowan氏らは、妊娠15週までに禁煙した妊婦と非喫煙妊婦を対象とした前向きコホート試験を行った結果、有害転帰は両者で変わらなかったと報告した。BMJ誌2009年6月27日号(オンライン版2009年3月26日号)より。

「エンブレル皮下注用25mg」若年性特発性関節炎の効能追加承認取得

ワイス株式会社は8日、武田薬品工業株式会社とコ・プロモーションのもと販売している関節リウマチ治療薬「エンブレル皮下注用25mg」(一般名:エタネルセプト、以下「エンブレル」)について、同社が7日付けで、厚生労働省より、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(Juvenile Idiopathic Arthritis、以下「JIA」)の効能追加、および、「エンブレル皮下注用10mg」の剤型追加の承認を取得したと発表した。

2型糖尿病発病への軌跡は3-6年前に始まる

2型糖尿病発病前の、糖代謝変化のタイミングについては、ほとんどわかっていない。ロンドン大学の疫学・公衆衛生部門のAdam G Tabak氏らは、イギリスでのWhitehall IIスタディ参加者のデータから、2型糖尿病を発病した人の空腹時・食後血糖、インスリン抵抗性、インスリン分泌に関する変化を追跡した結果、発症前3-6年に特徴的な変化が表れていることをつかんだと報告した。Lancet誌2009年6月27日号(オンライン版2009年6月8日号)掲載より。

ロシア成人早死の半数以上はアルコールが原因

アルコールが、ロシア成人死亡の重要な決定因子になっていることは知られるが、死因とアルコール消費量との関連や年代差、男女差などの詳細が、ロシアがんセンターのDavid Zaridze氏らによって明らかになった。報告によると、近年のロシア人男性55歳未満の死の半数以上はアルコールが原因で、ロシアと西欧諸国との成人死亡の最大の違いは、アルコールかタバコかで説明できるとしている。Lancet誌2009年6月27日号より。

GSK 前立腺肥大症治療薬「アボルブ」承認取得、大鵬薬品工業とコ・プロモーションで基本合意

グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は7日付で、同社の前立腺肥大症治療薬「アボルブカプセル0.5mg」(一般名:デュタステリド、以下「アボルブ」)について前立腺肥大症を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得と発表した。また、GSKと大鵬薬品工業株式会社は、同剤について両社でコ・プロモーションを開始することで基本合意したとのこと。

ゴナールエフが日本国内の女性不妊治療に適応拡大

メルクセローノ株式会社は7日、遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤である「ゴナールエフ皮下注用75」ならびに「ゴナールエフ皮下注ペン450・900」が、視床下部-下垂体機能障害または多のう胞性卵巣症候群に伴う無排卵および希発排卵における排卵誘発の効能追加承認を取得したことを発表した。

小児急性リンパ性白血病治療における予防的頭蓋照射は必要か

予防的頭蓋照射は、中枢神経系(CNS)再発リスクの高い小児急性リンパ性白血病(ALL)の標準治療とされてきたが、長期生存が可能になるにつれてその副作用が問題となっている。聖ユダ小児研究病院(米国テネシー州メンフィス)のChing-Hon Pui氏らのグループは、新たにALLと診断された小児全例で、化学療法と併用される予防的頭蓋照射を除外できるかどうかを調べるため臨床試験を実施した。NEJM誌2009年6月25日号掲載より。

血栓溶解療法後の早期PCIはST上昇型心筋梗塞患者の虚血性合併症予防に有効

経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行できない病院に搬送されたST上昇型心筋梗塞患者はしばしば、初回PCIをタイムリーに受けることができないまま、血栓溶解療法を受けることになる。そうした患者の最適な治療についてカナダ・トロント大学South Lake Regional Health CentreのWarren J. Cantor氏らが検討を行った。NEJM誌2009年6月25日号より。