日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1105

カプセル内視鏡、病変検出の力量は?

大腸ポリープと大腸がんの検出について、カプセル内視鏡と光学大腸内視鏡との比較検討が、ベルギーのブリュッセル自由大学Erasme大学病院胃腸病部門のAndre Van Gossum氏らによって行われた。カプセル内視鏡は、ほとんどの患者の大腸粘膜の検出を可能とするが、大腸内視鏡と比べて、病変検出の感度は劣ると報告している。NEJM誌2009年7月16日号より。

CABGにおける静脈グラフト採取、内視鏡下 vs. 切開の長期転帰

冠動脈バイパス移植術(CABG)の際、術後創合併症を減らすため、静脈グラフトの内視鏡下採取が広く行われているが、その影響については明らかにされていない。米国デューク大学医療センター臨床研究所のRenato D. Lopes氏らは、切開採取との比較で、静脈グラフト不全の発生率や長期転帰の評価を行った。NEJM誌2009年7月16日号より。

欧州医薬品審査庁によるランタスの安全性への見解

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は23日(現地時間)、ランタス(インスリン グラルギン<遺伝子組換え>)の現在までに得られたエビデンスの検証の結果、欧州医薬品評価委員会(CHMP)は、同薬剤の安全性を確認し、処方に関する指導について、何ら変更の必要はないとの結論に達したことを発表した。

閉経後女性へのホルモン療法、レジメン等の違いによらず卵巣がんリスクを増大

 閉経後女性に対するホルモン療法は、剤型、レジメン、投与方法にかかわらず、卵巣がんリスクが増大することが、デンマーク、コペンハーゲン大学婦人科クリニックのLina Steinrud Morch氏らによって明らかにされた。これまでも同関係性は言われていたが、異なるホルモン療法間でのリスク評価は行われていなかった。JAMA誌2009年7月15日号より。

術中PFOは、長期生存とは無関係ばかりか術後脳卒中を増大させる可能性がある

米国心胸外科医に対する最近の調査で、手術中に偶然発見された卵円孔開存(PFO)を治療するために、手術予定を変更する可能性があることが示されている。これを受け、米国クリーブランドクリニック心血管部門循環器科のRichard A. Krasuski氏らは、術中にPFOが発見される頻度はどれくらいなのか、また転帰について調査を行った。JAMA誌2009年7月15日号より。

2型糖尿病治療薬SYR-322 FDAの審査終了目標日延期

武田薬品工業株式会社の100%出資子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(米国イリノイ州)は、米国食品医薬品局(FDA)へ販売許可申請中の2型糖尿病治療薬SYR-322(一般名:alogliptin)と同治療剤アクトスの合剤について、FDAより、審査終了目標日である7月22日(米国時間)までに審査が完了しないため、新たな審査終了目標日を9月4日とする連絡を受けたと発表した。

BSI-201 が転移性トリプルネガティブ乳がんにおける第III 相試験を開始

サノフィ・アベンティスと完全子会社のBiPar Sciences社は、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体が発現しておらずHER2 の過剰発現も見られない腫瘍と定義される転移性トリプルネガティブ乳がん(mTNBC)の患者を対象にBSI-201 を化学療法と併用する第III 相ピボタル試験を開始すると発表した。

空間除菌剤(低濃度 二酸化塩素ガス発生ゲル)配置により小学校生徒の欠席率減少

大幸薬品株式会社は、北京にて開催された学会「World Summit of Antivirals」において、「呼吸器ウイルス感染症に対する低濃度二酸化塩素の効果( Effect of low-concentration chlorine dioxide gas against respiratory virus infection)」の研究結果について発表、その中で、空間除菌剤(低濃度 二酸化塩素ガス発生ゲル)配置により小学校生徒の欠席率が減少したと報告した。

急性中耳炎感染初期の抗菌薬投与、非投与に比べ再発リスクが20%高い

幼児で最も多い感染症の1つである急性中耳炎治療に関しては、感染初期は抗菌薬非投与による経過観察が推奨されているが、一方で、抗菌薬投与後の再発に関する研究報告は少ない。ユトレヒト大学メディカルセンター(オランダ)健康科学/プライマリ・ケア部門のNatalia Bezakova氏らは、6ヵ月~2歳の急性中耳炎の小児168例を対象に、二重盲検無作為化プラセボ対照試験にて、追跡調査3年にわたる前向き調査を行った。BMJ誌2009年7月11日号(オンライン版2009年6月30日号)より。

中年で独り身になった人、アルツハイマー病発症リスク3倍

ソーシャルネットワークや活動的なライフスタイルが、認知症予防に寄与することは報告されている。しかし、その大半の研究は高齢者を対象とした短期間の追跡調査に基づくもので、対象者が基線ですでに無症候性の認知障害に冒されている可能性もある。このためVaxjo University(スウェーデン)社会科学部心理学のKrister Hakansson氏らは、中年期に焦点を当て、この時期の婚姻状況と将来の認知症発症リスクとの関連について、平均21年にわたる前向き集団追跡調査を行った。BMJ誌2009年7月11日号(オンライン版2009年7月2日号)より。

アルツハイマー型認知症治療剤アリセプトの内服ゼリー剤 国内の製造販売承認を取得

エーザイ株式会社は22日、日本において、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の新しい剤形となる内服ゼリー剤の製造販売承認を取得したと発表した。内服ゼリー剤は、嚥下に障害のある患者にも服用しやすい、アルツハイマー型認知症治療剤では世界で初めての剤形となる。

aleglitazarによる短期的治療が、2型糖尿病患者のHbA1cを改善

PPAR-αとPPAR-γのデュアル作動薬であるaleglitazarによる2型糖尿病患者の短期的な治療は、安全性と有効性プロフィールの良好なバランスを示し、より長期の治療でさらなる効果が期待できることが、アメリカCalifornia大学San Diego 校のRobert R Henry氏らが実施した第II相試験(SYNCHRONY試験)で判明した。PPAR作動薬については、心血管系に対する有害な作用の可能性を示唆する報告があるが、それにもかかわらず2型糖尿病における心血管疾患リスクの低減という有望な作用への関心は失われていないという。Lancet誌2009年7月11日号(オンライン版2009年7月8日号)掲載の報告。