日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1066

新型インフルエンザに注意すべき疾患は ―重症化しやすいCOPD患者―

2009年11月4日、大手町ファーストスクエアにて開催されたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)プレスセミナー(主催:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/ファイザー株式会社)で、日本医科大学呼吸器内科教授、同大学呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞氏が「新型インフルエンザとCOPD」について講演を行った。

第2回ココ・カラ・ライフ トークセッション2009 「もっと知って!子宮けいがんのこと」開催

20~30代の若い女性の間で乳がんよりも急増しているといわれてる、子宮けいがん。日本では年間1万人以上が発症し、3500人が死亡すると推定されている。性交を行う年齢の低年齢化を背景に、この20年ほどの間に、20~30歳代の発症者・死亡者が増加していると深刻だ。その子宮けいがんのことや婦人科検診についてわかりやすく伝えようと、第2回ココ・カラ・ライフ トークセッション2009「もっと知って!子宮けいがんのこと」が開催される。

ペメトレキセドによる維持療法、進行非小細胞肺がんに対する有用性を確認

進行非小細胞肺がんに対するペメトレキセド(商品名:アリムタ)による維持療法は良好な耐用性を示し、プラセボに比べ無進行生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善することが、ルーマニアIon Chiricutaがん研究所のTudor Ciuleanu氏らが実施した無作為化第III相試験で明らかとなった。ペメトレキセドは葉酸代謝拮抗薬であり、欧米ではシスプラチンとの併用で悪性胸膜中皮腫の1次治療として、単剤で非扁平上皮型の進行非小細胞肺がんの2次治療として、またシスプラチンとの併用で非扁平上皮型の進行非小細胞肺がんの1次治療として承認されている。本試験は2009年米国臨床腫瘍学会(ASCO)で最終報告が行われ、注目を集めた。Lancet誌2009年10月24日号(オンライン版2009年9月20日号)掲載の報告。

新規の血管拡張薬darusentan、治療抵抗性高血圧における降圧効果を確認

新規の選択的エンドセリンA受容体拮抗薬darusentanは、3剤以上の降圧薬を用いても降圧目標を達成できない治療抵抗性の高血圧患者にさらなる降圧をもたらすことが、アメリカNew York州立大学のMichael A Weber氏らが実施した無作為化試験で示された。治療抵抗性高血圧とは、利尿薬を含む3剤以上を推奨用量の上限または患者が耐用可能な最大用量まで使用しても降圧目標に到達しない場合と定義される。高血圧や糖尿病の患者の循環血中ではエンドセリン1が増加しており、その受容体を遮断するアプローチは治療抵抗性高血圧に有効な可能性があるという。Lancet誌2009年10月24日号(オンライン版2009年9月14日号)掲載の報告。

CKD患児、ramipril高用量服用の血圧コントロール強化群に大きなベネフィットが

慢性腎疾患(CKD)は成人でも小児でも、末期腎不全へと進行する傾向があり、臨床的に重大な問題である。腎不全は高血圧と糸球体の過剰ろ過によって進行するが、成人患者において、レニン・アンジオテンシン(RA)系を阻害する降圧薬服用が、腎機能を保護し腎不全の進行を遅らせることが明らかとなった。しかし、目標とすべき血圧値についてはなお議論の的となっている。欧州の33の小児腎臓病学部門が共同参画するESCAPE Trial Groupは、ACE阻害薬ramiprilを高用量服用する小児CKD患者(約50%が高血圧症を有するといわれる)を無作為に2群に分け、一方の血圧コントロール目標値を厳しく設定し、その長期的な腎保護作用の評価を行った。NEJM誌2009年10月22日号掲載より。

重症急性腎障害患者への透析療法、強度を変えても90日死亡率は44.7%

米国から最近報告された急性腎障害(AKI)患者に有効とされる透析療法の強度について、オーストラリアとニュージーランドの共同研究グループ(RENAL Replacement Therapy Study)が、高低2つの強度による多施設共同無作為化試験を行い検証した。強度を高めたほうが有益ではないかとの仮説を立てての試験だったが、主要評価項目の90日死亡率に、強度による差はなかったと報告している。NEJM誌2009年10月22日号掲載より。

化粧をすることで脳活動(自分への意識)も変化することを確認

カネボウ化粧品・価値創成研究所、およびメイクアップ研究所は29日、化粧前後における女性の脳活動の変化を比較し、化粧前に「他人の顔」のように認識していた「自分の化粧顔」が、化粧後には「自分の顔」、すなわち“自分そのもの”であると認識を変えていることを見出したと発表した。化粧後の女性にとっての「自分の化粧顔」は「自分の顔」であり「他人と向き合うための社会的な存在」であることを示唆しているという。

医師労働人口の推定・予測値、医師会調査と国勢調査でデータに格差が:米国

米国医師労働人口について、米国医師会の医師に関する原ファイル(American Medical Association Physician Masterfile)を基に推定した場合と、米国勢調査局の現況人口調査(Current Population Survey:CPS)を基にした場合とでは、格差があることがわかった。CPSデータによる推定値のほうが、「若い医師が多く、高齢の医師の数は少ない。全体としては医師の労働人口は少ない」という結果だった。米国Dartmouth CollegeのDouglas O. Staiger氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2009年10月21日号で掲載されている。米国医師会のデータは、これまでにも、退職した医師の情報の更新に時間がかかり、結果として医師の労働人口を過剰に推定する傾向が指摘されていた。

心不全患者へのアルドステロン拮抗薬処方、適応患者の3分の1:米国調査結果

アルドステロン拮抗薬(商品名:セララ)が適応となる心不全患者のうち、退院時に同薬の処方を受けていたのは、3分の1にも満たないことが明らかになった。病院間での処方率の格差も大きかった。米国Cleveland ClinicのNancy M. Albert氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年10月21日号で発表されている。これまでの研究から、アルドステロン拮抗薬は、中等度から重度の心不全患者に対して有効であることが明らかになっている。そのため米国心臓協会(AHA)などの臨床ガイドラインでも、投与が勧告されている。

抗生物質「テラバンシン」欧州にて承認申請へ

アステラス製薬株式会社は10月29日、米国テラバンス社(本社:カリフォルニア州サウス・サンフランシスコ)より導入した抗生物質「テラバンシン(一般名)」について、同社の欧州子会社アステラス ファーマヨーロッパB.V.が、成人における「人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎」および「複雑性皮膚・軟部組織感染症(cSSTI)」を目標適応症として10月26日(現地時間)に欧州医薬品審査庁(EMEA)に承認申請を行ったと発表した。

季節性インフルエンザワクチン希望者は2割増なのに、医療機関の86%が「足りない」の声

株式会社QLifeは、季節性インフルエンザのワクチン接種が、全国の医療機関で実施されている状況を確認し、全国の内科医師300人に緊急アンケートを行った(病院56%、診療所44%)。新型インフルエンザ流行の影響なのか、季節性ワクチン接種希望者は昨年よりも2割程度多いが、供給量は逆に昨年より少ないために需給バランスは崩れており、9割近い医療機関が「ワクチン不足」を訴えていることがわかった。「必要分の50%以下」とするところも2割近くあり、「接種はキャンセル待ち状態」「今年は予約制では対応できない」医療機関も出ているという。

第1回「粒子線がん治療入門セミナー」 ~粒子線がん治療の普及に向けて~ 開催のご案内

粒子線がん治療入門セミナーは、講師が、文部科学省委託事業「粒子線がん治療に係る人材育成プログラム」の内容を踏まえて、粒子線がん治療の有効性や治療に至るまでのプロセス、施設運営に関する情報などを、分かりやすく説明し、広く一般の方に知っていただくために開催するものです。

うつがあると肥満になるリスクが高い:うつと肥満の相互関係

うつ病や不安障害といったありふれた精神疾患は肥満になりやすいのか、あるいは肥満であることがうつや不安をもたらすのか、相互の関連性については明らかになっていない。ロンドン大学疫学・公衆衛生部門のMika Kivimaki氏らは、両者間に用量反応の関係性が存在するのかを調査した。BMJ誌2009年10月17日号(オンライン版2009年10月6日号)より。

乳幼児突然死症候群発生状況の最近の傾向

最近の乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生状況について、英国ブリストル大学地域医療学部門のPeter S Blair氏らが調査を行った。SIDSは、1990年代初期の「仰向けで寝かせよう」とのキャンペーン以降、徐々にだが着実に減少し90年代末期には半減したが、一方で最近の報告では、誰かと一緒に就寝していた状況下での発生が目立つようになっていた。Blair氏らは、睡眠時の状況に着目し、SIDS群と、無作為に選んだ対照群、およびハイリスク群(母親が喫煙者・若い・貧しい・多重産)の3群で比較を行った。BMJ誌2009年10月17日号(オンライン版2009年10月13日号)より。